オフサイド・トリップBACK NUMBER
時代後れのイングランド・サッカー。
時計の針を進めるのはモウリーニョ?
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byLiverpool FC via Getty Images
posted2011/04/04 10:30
“レッド・ドラゴン”の異名をとるリバプールの大黒柱スティーブン・ジェラード。南アW杯では、大会直前にキャプテンのリオ・フォーディナンドが負傷し、代わりにキャプテンマークを付けて戦ってもいる
モウリーニョが懐かしむ「イングランドの匂い」。
「私はイングランドが懐かしいし、次はイングランドで仕事をすることになるだろう。(あそこには)やり残した仕事がある。それにイングランドも私が戻ってくるのを望んでいる。違うかい?」
モウリーニョは最近のインタビューで、こんなふうにも語っている。
「イングランド」という単語にはサッカーだけでなく、メディアの体質やサポーターの気質、スタジアムの雰囲気、はては鉛色で雨ばかり落ちてくる空や、高くてまずい食事も含まれるわけだが、彼も「イングランドの匂い」が忘れられないのだ。
トッテナムは今季CLに参戦したプレミア勢の中で、良くも悪くも古典的な「イングランドの匂い」が最も残っているチームだといえる。そんなチームがCL最多優勝を誇るスペインの名門に土をつけ、モウリーニョのイングランド復帰を早めるという展開も一興だろう。