記事を
ブックマークする
【独占インタビュー】「自分への挑戦だった」堀米雄斗が明かす“最後の一本”への思い…“スケボー禁止”の張り紙前で「撮影」を提案した意図とは?
東京五輪王者の“苦戦”にハラハラドキドキしていたのは、周りで見ているファンだけだった。泣いても笑ってもラストトライ。直前にジャガー・イートンが大技を決め、自身は7位まで後退しているというのに、堀米雄斗は別のことを考えていた。
「最後のトライは緊張より集中の方が強かったから、誰が決めたとかもあまり関係なかったです。もちろん接戦だったら点数を見ていたと思いますけど、もう一切、点数も計算してませんでした」
ノーズを弾き、回転し、テールがレールをとらえ、完璧に着地。最後の最後で堀米は感情を爆発させ、大きく吠えた。97.08という大会最高得点をマークする奇跡の大逆転で、金メダルを獲得した。
「金メダルを取るのに96.99が必要というのも知らなかったですね。もう無理なのかなと思っていましたから。点数よりはトリックの方にすごく集中していました。3本目くらいまではナイジャ・ヒューストンもジャガーも調子が良かったから、そのときの方が緊張してましたね」
五輪連覇を果たした堀米は「地獄のような3年間でした」と振り返った。
東京五輪以降に採点ルールが変更されたことも堀米を苦しめた要因のひとつだった。東京ではランとベストトリックから4つのベストスコアが採用されたのに対し、パリ五輪の出場権をかけた予選シリーズではランの得点がひとつ、そしてベストトリックの得点がふたつ。ランの得点がより重視される新しいルールは、ベストトリックを得意とする堀米にとって不利なものだった。上海大会ではまさかの予選落ち。パリへの切符は絶望的とも思われた。
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています