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「僕にとって大谷翔平は野球界のメシア」MLBドラフト上位指名された2選手はなぜ「二刀流」を断念したのか?《Two-wayの理想と現実》
野球用語は時代と共に進化する。現代では「ピッチクロック」「AI審判」「打球速度」などの言葉が、日常的にグラウンドで聞こえるようになった。
もう一つは「Two-way Player」(二刀流)だ。これは言うまでもなく大谷翔平が球界にもたらした概念であり、特にアメリカの球児の間で流行語になった。しかも「二刀流」は流行語にとどまらず、2020年にルールとして制定され、球児が目指す夢となっている。
その'20年のドラフト会議以降、毎年上位ラウンドで数人の「二刀流選手」が指名されてきた。
サンフランシスコ・ジャイアンツは直近2年のドラフトにおいて、二刀流選手を1位指名している。'22年は1巡目(全体30位)で、コネチカット大学の左投左打のレジー・クロフォードを、続いて昨年は全体16位で、バージニア州の高校から右投左打のブライス・エルドリッジを指名した。大谷の影響を受けた二人は、マイナーでどのように育成されるのか。ルール制定後初めての「米国製二刀流」は、いつメジャーの舞台に登場するのか。その現状を探るべく、マイナーリーグの球場を訪れた。
「僕にとってオオタニは『野球界のメシア』」。
カリフォルニア州。サンディエゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコなど5都市にメジャー球団が5つも本拠地を置いている。太平洋沿いは年間を通して天候に恵まれ、「天国」とも言われる土地だ。ところが、海から離れた内陸では「天国」どころか風が吹かない暑さ40度前後の日々が続く。厳しい日差しの下で、マイナーリーガーたちが汗でびしょびしょになりながらメジャーを目指して懸命に野球をしている。
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