#1083
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<過去に三冠は2頭だけ>秋競馬の「古馬三冠」が難しいのはなぜか?《理由のひとつは日本競馬の「レベル上昇」も》

2023/10/27
一生に一度のクラシック三冠を達成した馬は8頭いる。しかし、秋の王道GI3レースを制覇したのはわずか2頭――。挑戦者たちを幾度も阻んできたものとはいったい何なのか。名馬が居並ぶ歴史を遡り、その理由を紐解いていく。

 天皇賞・秋、ジャパンC、そして有馬記念という「秋古馬三冠」すべてを同一年に制した馬に、内国産馬2億円、外国産馬1億円の褒賞金が贈られるようになったのは2000年のことだった。その年、早速テイエムオペラオーが達成し、'04年にはゼンノロブロイがつづいた。このペースならこれからもどんどん出るかと思われたが、昨年まで達成馬が現れていない。

 秋古馬三冠制覇がなかなか達成されないのはなぜなのか。

 それを考える前に、褒賞金が出される前のこれら3レースを振り返ってみたい。

「世界に通用する強い馬作り」を合言葉に、日本初の国際招待レースとしてジャパンCが創設されたのは、1981年のことだった。同時に、それまで11月に行われていた天皇賞・秋が10月末に移動し、勝った馬は出られないという「勝ち抜き制」が廃止。'84年には距離が3200mから2000mに短縮された。有馬記念は'66年に距離が100m短縮されて2500mとなり、現在に至る。つまり、秋古馬三冠が現在と同じ条件になったのは、グレード制が導入されたのと同じ'84年ということになる。

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photograph by Naoya Sanuki
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