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「『勉強しよう』という意識が働く」人口約2800万人のベネズエラからMLBの強打者が生まれる理由とは?《西武アギラー、ラミレス通訳が証言》
2024年MLBの開幕ロースターに名を連ねた外国籍選手は264人。その国別でドミニカ共和国に次いで多かったのが、同じ中南米にあるベネズエラだ。名ショートとして名を馳せたオマー・ビスケルなど、多くのベネズエラ人のスター選手がメジャーを席巻してきた。
近年では、ミゲル・カブレラ(元タイガースなど)が首位打者4度、本塁打王と打点王2度、2012年には三冠王を獲得している。アストロズの2度の世界制覇に貢献したホセ・アルトゥーベは身長160cm台ながら首位打者3度、4年連続200安打をマーク。昨季、ナ・リーグMVPに輝いたブレーブスのロナルド・アクーニャJr.は史上初の「40本塁打&70盗塁」の偉業を達成するなど、MLBにおけるベネズエラ人スラッガーの存在感は大きい。
NPBにおいても、ロベルト・ペタジーニやアレックス・カブレラ、アレックス・ラミレスなど打撃タイトルを獲得した選手は多い。人口約2800万人のベネズエラから、どうしてこれだけの強打者が生まれるのだろうか。
教育を重視し、先を読む力を身につける。
同国の事情を証言するのは、西武に所属するヘスス・アギラーだ。自身もメジャー通算114本塁打の実績を持つ。ブルワーズに在籍していた2018年にはオールスターに選ばれ、ホームランダービーに出場すると、シーズン35本塁打を記録し、その年の最も活躍したベネズエラ人選手に授与される「ルイス・アパリシオ賞」をアクーニャJr.と共に受賞している。
「僕は子どもの頃からアンドレス・ガララーガ(元ロッキーズなど)やミゲル・カブレラに憧れていた。ベネズエラ人にとって彼らは2トップの存在で、子どもたちみんなが彼らを目標にしていたね。僕もカブレラの影響でサードを守っていた。今はきっと、アクーニャJr.が守っているライトが人気のポジションだろうね。ベネズエラには野球アカデミーが多かったので、そこで練習してメジャーのスカウトの目に留まれるように努力するんだ。メジャーと契約できるのは16歳と半年になってからだから、遅くともそれまでにスカウトに見てもらう必要があった。僕の場合は14歳くらいからメジャーを意識して、両親にも野球選手になりたいと話していた」
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