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「『心を折る』とは別の言葉が生まれて…」神取忍が明かした“女子プロレス史上最大のif”…長与千種との「決闘」が実現していたら【異端児インタビュー】
Netflixシリーズ『極悪女王』の最終話エピソード5で、“姿なき存在感”を見せていたのが神取忍だ。
長与千種vs.ダンプ松本の敗者髪切りデスマッチも終わり、クラッシュ・ギャルズと極悪同盟の熱狂の時代が緩やかに退潮に向かう中、ゆりやんレトリィバァ演じるダンプ松本が客入れ前の会場客席で眺めていたプロレス雑誌。そこに掲載されていたのは、ダンプやクラッシュの世代の女子プロレスラーの誰もが憧れた元ビューティ・ペアのジャッキー佐藤が新団体「ジャパン女子プロレス」で現役復帰して、試合で元柔道日本一の神取忍(当時・しのぶ)に拳で殴られ、顔面を腫らす姿だった。
ジャッキーさんはなんで他団体なんかで現役復帰したのか。なぜ、あの大スターが顔面を腫らす姿を晒さなければいけないのか。そしてジャッキーさんをボコボコにした神取とはどんなヤツなのか。
ドラマの中で、神取が出てきたのはこの雑誌に載った写真のみ。それでもこれは、当時の全女のレスラーが心の奥底で感じた、団体の壁の向こうにいる神取という存在への得体の知れない静かな恐怖をよく表していた名シーンだと言える。
そして現実世界でも当時の神取は、クラッシュvs.極悪ブームに沸く女子プロレス界に現れた異物だった。
柔道の全日本体重別選手権3連覇、世界選手権3位という圧倒的な実績を持つトップアスリートの転向は、女子プロレス史上初めて。しかも当時の新人女子レスラーのほぼ全員が女子プロに憧れて入ってくる中、憧れとはただ一人無縁の存在。'86年3月のジャパン女子入団会見では、「ダンプは片手で十分。クラッシュなんて10秒でKO」と発言し、全女のレスラーや関係者、そしてファンのヒートを買った。
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