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[ナ・リーグの二刀流]ロレンゼン「大谷のおかげで人生が変わった」

2021/09/11
二刀流は二刀流を知る。'18年、日本から来た規格外の選手によって道が拓かれたもう一人の“2WAY”が語る、大谷の活躍の意義とは。

 大谷の二刀流は、登板のない日はDHで出場できる、ア・リーグのシステムの利点を最大限活かしている。そういった意味でDH制のないナ・リーグでの二刀流はまた違った難しさがある。シンシナティ・レッズのマイケル・ロレンゼンは、そこにチャレンジしている、もう一人の二刀流だ。

 ロレンゼンは、長打力に定評のある外野手として名門カリフォルニア州立大フラートン校の野球部に入部した。その強肩が指導者の目に留まり、2年目からはクローザーとしても起用されるようになった。投打で名を知られるようになったロレンゼンは、「大谷翔平」の名が知れ渡る前から、プロで二刀流として活躍する、という大きな夢を抱くようになっていった。

 しかし、彼を待ち受けていたのは厳しい現実だった。前途有望な選手として2013年に1巡目でレッズに入団したものの、当然のようにマイナーで二刀流を育てる概念は存在しなかった。ロレンゼンはチームに対して「投打両方をやらせてほしい」という異例ともいえる希望を出していたが、あくまでチームは彼をピッチャーとして考えていた。'15年にメジャーデビューを果たしたあとも状況は変わらず、チームは疲労や故障を理由に、二刀流を許すことはなかった。時折、代打や代走として起用されることはあったが、それは自分が思い描く二刀流とはほど遠かった。

 ところが'17年のオフ、編成担当者から思いがけない連絡があった。

「オオタニという日本の選手がポスティングを利用してメジャーに移籍してくる。レッズも獲得競争に参戦するつもりだ。プレゼン資料で二刀流起用案をアピールしたいから、協力してくれないか」

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photograph by Getty Images

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