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「お客さん500人の体育館で…」桜井良太とニック・ファジーカスが語り合う“日本バスケ黎明期”と「渡邊雄太の役割」《引退記念対談》

共に今季限りで現役を引退したニック・ファジーカスと桜井良太
共に今季限りで現役を引退した功労者。黎明期の日本バスケットボール界に身を投じ、Bリーグ開幕後の劇的な変化、日本代表の躍進まで、これまで見てきた景色を語り合った。(原題:[引退レジェンド対談]桜井良太×ニック・ファジーカス「日本バスケの成長を見届けて」)

――ラストシーズンが終わって少し経ちました。来季を考えないオフをどのように過ごされていますか。

桜井 今のところはあまり変わらないですね。次のシーズンが始まる頃、練習が始動する連絡が来ないというときになって「ああ、もうバスケはやらないんだな」と感じるかもしれません。

ニック 僕も変わらないオフを過ごしているよ。8月くらいになって、シューズを買うとかトレーニングでコンディションを上げるというようなことをしなくなったときに、やっと引退した実感が湧くんだと思う。

対戦相手としてすごく腹が立っていた。(桜井)

――これまで同じチームでプレーされたことのないお二人ですが、お互いの印象についてうかがえますか。

ニック 桜井さんは今まで達成してきたもの(636試合連続出場など)を含め、リスペクトしている選手です。これほど長く現役生活を続け、成功している選手は多くない。特別な存在だよ。

桜井 ニックは日本バスケを変えた選手。彼が来日する以前、日本には中からも外からも点を取れるビッグマンはいなかった。辻直人(現・群馬クレインサンダーズ)とのピックアンドロールをどう止めるかは本当にいろんなチームが試行錯誤したと思います。だから僕はもう、対戦相手としてすごく腹が立っていましたよ。冗談じゃなく。本当にどうやっても止められないので。

ニック ハハハ。

桜井 今シーズンも、うちのスカウティングプランは「ニックをどう止めるか」だった。それはたぶん他のチームも同じだったんじゃないかな。最も対策される選手のまま現役を終えたということを、ものすごくリスペクトしています。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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