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「決して言い訳しない」「あれ以上に辛く、どん底の経験はなかっただろう」アメリカ人記者4人が語ったダルビッシュへの“本音評価”【2020年バウアーとのサイ・ヤング賞一騎打ち】
ボブ・ナイチンゲール (『USA TODAY』記者)
決して言い訳しないところも好印象。
今季のダルビッシュ有はついにカブスが大型契約で獲得した当時に望んでいた投球をしたという印象だ。これまではやや期待外れと言っても良かったが、今年の投球はメジャー最高級だった。“契約は失敗だった”なんて声も出ていたから、カブスの人間は間違いなくエキサイトしているよ。今季を終えた後では、むしろ割安の契約だったようにすら見えるくらいだ。
移籍2年目はレンジャーズ時代と同じくらいの投球はするだろうと思っていたけれど、ここまでやるとは少々驚いたというのが正直なところ。今シーズンのダルビッシュは自信に満ちていて、ゲームを完全にコントロールしていた。これまでの彼はプレーオフ、ワールドシリーズといった重要なゲームでの登板では苦しむというイメージがあったが、今年はエースとしてチームを支え続けていた。
プレーオフでも敗れはしたが、見事な投球内容だった。ポストシーズンでもっと投げる姿を見たかったし、シーズン中もできれば162試合の中でダルビッシュがどれだけの成績を残すかを見てみたかった。カブスの大黒柱として君臨し続け、現実的に20勝も狙えたんじゃないかなと思う。
投手としてのダルビッシュを評するなら、“聡明なピッチャー”という形容が真っ先に頭に浮かぶ。常に自分を制御できていて、マウンド上で自分が何をやりたいかをわかっている。これまで見てきた投手と比較するなら、右左の違いはあるけれど、フィリーズのエースだった時代のコール・ハメルズと共通点が多いように思う。ハメルズもとても頭が良く、投球の方法を熟知していて、支配的な投球ができる先発ピッチャーだった。
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