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ダルビッシュ有は「“四次元”を自在にあやつる投手」…建山義紀が語る“11歳年下”エースの抜群の対応力《ファイターズ&レンジャーズで同僚》

2024/06/11
2011年と12年にレンジャーズでも同僚だったダルビッシュと建山
日本ハム時代の後輩が、テキサスで再び同僚に。メジャーの大男たちを幻惑したサイドスロー右腕は、11歳年下のエースの挑戦と進化をどう見てきたのか。(初出:Number1014号ダルビッシュを語ろう 建山義紀  「テキサスで体感した四次元投法」)

 今季、ダルビッシュがスライダーで奪三振を重ねる場面を中継で見たとき、これはえげつない球を投げているんだろうなと驚きました。確かインディアンス戦の登板だったと思います。「空振り」って普通はボールの上か下を振るじゃないですか? ところが、はるか外角のボールに対して、当たるわけないよね、という空振りをしていたんです。

 2015年に右ひじ手術を受けた後は、少し直球の質が落ちたと感じていたのですが、今年に関しては、直球の球威がすさまじかった。さらに、スライダーの曲がり方、切れが増していて、彼は今がまさに、全盛期なんじゃないかなと感じています。

 あれだけ曲がるスライダーに加えて、右打者から見て自分の方に食い込んでくるツーシームがあるとなれば、まず打てないですよ。ツーシームは、左打者にとっては、「フロントドア」という形でいったん自分の身体の方に向かってきてから大きくそれていく。曲がり幅は、たぶんベース1個分くらいはあるんじゃないか。ボールの動きがちょっと尋常じゃないですよね。

引き出しの多さが、1年目から活躍できた理由。

 ’11年に僕がレンジャーズ入り。その翌年に彼が来て、日本ハム時代に続きまたチームメートとなりました。チーム合流当初は、ボールに苦労している様子でした。スタートが乾燥したアリゾナキャンプなので、日本人投手は必ずグリップに苦戦する。特に彼のような球種の多い投手は尚更です。

 僕からも少し、工夫の仕方などをアドバイスしましたが、それ以上に彼のアジャストは早かったです。ボールへの対応はもちろん、相手の打者ごとにスイングなどを見て、この球種はこの打者に有効だということをマウンド上で感じて、同じ試合のなかですぐ投球に結び付けていました。

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photograph by Getty Images

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