「なんとなくウキウキしていると言うか、もっと落ち着かなきゃいけないな、と思うんです」
プロ13年目、35歳のレンジャーズ建山義紀は、キャンプ地アリゾナの真っ青な空の下で目を輝かせながら言った。メジャーでも屈指の充実した施設で汗を流す毎日は、新鮮かつ刺激的で、高揚感は隠しようがなかった。
セットアッパーという役割もあり、昨オフ、メジャー挑戦の意思を表明した時点で、建山への注目度はさほど高くなかった。その一方で、レンジャーズは早い時期から建山のメジャー志向をつかみ、入念な調査を続けていた。アジア担当スカウトの視察は30試合以上に及んだという。昨季、日本ハムで58試合に登板し、自己ベストの防御率1.80の好成績を残したことで、獲得方針は即座に固まった。実際、昨年10月には建山自身がジャイアンツとのワールドシリーズを現地で観戦、11月30日に契約を結んだ。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Yukihito Taguchi