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「人から言われたことと反対のことをやってみたくなるの」アリーナ・ザギトワ、大人の女性への魅惑的な階段<“五輪女王”独占インタビュー/2019年>
2024/03/19
シニアデビューの昨季に五輪金メダルに輝いた新女王が、今季直面したのは度重なるミスと周囲の喧騒だった。重圧の中で迎えた世界選手権。そこで見せた圧巻の演技の裏にあった思いと自身の成長を、彼女は笑顔で語った―。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2018-2019 アリーナ・ザギトワ 五輪チャンピオンから真の女王へ。)
さいたまスーパーアリーナで開催された3月の世界選手権で初のタイトルを手にしたアリーナ・ザギトワ。ショートプログラム「オペラ座の怪人」、フリー「カルメン組曲」ともノーミスの素晴らしい演技だった。特にフリーでは今季苦戦していた後半の3回転ルッツ+3回転ループなどもしっかり回り切って総合237.50を獲得。彼女自身がネーベルホルン杯で出した女子歴代最高スコア238.43に次ぐ高得点で観客を魅了した。
平昌オリンピックチャンピオンとして挑んだ昨シーズンは5位に終わったこの大会で、みごとに初優勝を果たしてほっとしたのだろう。試合終了の翌日、本誌の独占取材に応じたザギトワは、リラックスした様子で語り始めた。
「今シーズンの初めに定めた目標は、世界選手権の代表に選ばれてトップ3に入ることでした。普段私は、あまり先の話はしないようにしているの。でも今はこうして実現できたので、安心して口に出せます」
そう明かしたザギトワ。これまでにないほど饒舌で機嫌が良い。
オリンピックで勝ったからといってやめる気はなかった。
女子のオリンピックチャンピオンが、翌シーズンの世界タイトルを手にしたのは1985年のカタリナ・ヴィット以来のことだ。近年では15、16歳で金メダルを取って、即座に競技から姿を消した選手も少なくない中で、どうやってモチベーションを保ってきたのか。
「メディアのおかげもあるんです」と、ザギトワはいたずらっぽく笑った。
「私が競技をやめてしまうに違いない、と書いたメディアも多かった。でも私くらいの年齢では、人から言われたことと反対のことをやってみたくなるの」
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photograph by Tsutomu Takasu