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鈴木明子が解説する「ルール変更が生んだ滑りの変化」…男子フリー4分、GOEは11段階に<フィギュアスケート解説/2019年>

2019.03.23 World Championships
採点ルールが大きく変わった今シーズン。プロスケーター、振付師などで活躍する鈴木明子が、世界選手権を踏まえて元選手の目線でその影響を解説してくれた。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2018-2019 [鈴木明子が詳細解説] 新ルールが生んだ選手の滑りの変化。)

 ルールが大きく変わったシーズンが終わろうとしています。振り返ってみて、まず感じるのは、高いレベルで完成度の高い演技が求められる時代になったということです。

 シーズン当初、男子に関しては、4回転ジャンプの追求が進んできたこれまでの流れに変化が起こると思っていました。リスクを回避するために、ジャンプの難度を下げたプログラムの構成にして安全策をとる選手が多くなるのではないかと考えたのです。

 というのも、転倒時の減点が大きくなったほか、GOEが7段階から11段階に広がったことで良いものには加点が増える一方で、ミスすると大きく引かれることになります。演技構成点も、複数の転倒などがあると一定の点数が上限として定められました。失敗したときの点数が下がるリスクが、そこでも高くなったのです。実際、試合が始まると、ジャンプの回転不足や転倒の場合、大きく減点される光景がありました。

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photograph by Tsutomu Kishimoto

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