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《お笑い×ボディビルの原点》なかやまきんに君が語り尽くす「筋肉のパワー!が未来を映し出す」【インタビュー】

2024/02/11
芸歴が20年を超えてなお進化するなかやまきんに君
定番ネタは大バズりし、CM出演本数も激増。芸歴20年超、ようやく時代が彼に追いついた。福岡の筋トレ青年による地道な継続の結実。本人の言葉から、その原点と原動力を探った。

 こんなムキムキになりたいわけじゃないんだよな。

 ジムの壁に貼ってあったポスターを見て、高校3年生の中山翔二は思った。

 バスケ部を引退した後、少し体を鍛えてみようと足を運んだ福岡市東区の本格的なトレーニングジム。今のように街中にジムがあるのが当たり前ではなく、電話帳をめくって見つけたのが自宅から30分以上かかるその場所だった。

 ポスターに写っていた谷野義弘は、1994年のボディビルジャパンオープン王者。「ちょっと運動ができればくらいの感じだった」という17歳が、そのバキバキの肉体に戸惑ったのも無理はない。彼はまだ“きんに君”ではなかったし、長い長い筋肉人生の入口に立ったところだった。

「一番最初にやったのはベンチプレスでした。初日は50kgも上がらないぐらいだったと思いますが、毎週毎週、記録がちょっとずつ伸びていくんです。フォームも覚えるしコツも掴めるので、最初の頃は強くなりやすい。頑張って追い込んだ翌週に大きく記録が伸びたりして、うれしいと同時に楽しくなっていきました」

 慣れてくるとジムの先輩たちが補助に入ってくれるようになる。通い始めて3、4カ月が過ぎた頃、その日は社会人のラガーマンがついてくれた。

「さあ来いっ! さあ来いっ!」

 バーベルを持つ腕が震えると、ラガーマンはもっと力を振り絞れと大きな声で鼓舞してくる。ジムでは筋肉への刺激だけでなく、そんな掛け声も一緒に脳みそに刷り込む日々。高校卒業までにベンチプレスは100kg近くまで上がるようになった。

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photograph by Masataka Kougo

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