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「背中が腹筋みたいに割れてた」「お腹を締めるバネが強い」楢崎智亜×野口啓代が語った重力に抗うための“筋肉と身体運用”《トップクライマー夫婦対談》
クライミング界のビッグカップル、楢崎智亜と野口啓代夫妻。楢崎は昨年10月に韓国で開催されたアジア選手権でリードとボルダリングを制し、コンバインドを含めた3冠に輝いた。東京五輪後に引退した野口は現在、大会プロデュースなど普及活動に努め、夫婦揃ってYouTubeでも発信している。年末には披露宴を行ったばかりの二人が、「登る」筋肉について語り合った。
――クライマーの肉体の特徴や、お互いの筋肉の強みってどこにありますか?
野口 クライマーが強い部位ってなるとやっぱり背中。大円筋とか広背筋ですかね。
楢崎 でも、広背筋でちゃんとホールドを引けてる人ってほとんどいないよね。めっちゃムズい。
野口 ほとんどの人が背中の上の方で引いてるかな。
楢崎 でも、啓代はもっと下の部分を使って、深く引くことができる。現役の時は背中が腹筋みたいに割れてたもんね。なんで? って思った(笑)。
野口 智亜の場合は連動が得意なので、ひとつの部位という感じではないですね。でも大腰筋はめちゃめちゃ強い。ウエストは細いけど、お腹を締めるバネが強いです。
楢崎 身体を丸めて壁との空間を空けてからパッと飛び出す動きが好きだから。でも今はその動きをあえて封印して動く練習をしてるよ。
野口 大腰筋ってスピード種目で縦に推進力を得たり、距離を出すときに大切な筋肉。智亜は他の選手より小柄だけど、身長が高い選手よりも距離出しができるね。
楢崎 逆に前腕とかは細い。
野口 たしかに。でも太さ=強さじゃないし、瞬発系の動物って細いじゃない? 選手でも瞬発力より持久力が強い選手の方が太いよね、ふくらはぎなんかも。
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