スピード、スタミナ、ボディコンタクトの強さなど、 サッカー選手のフィジカルはパフォーマンスに直結する。 極限まで鍛え抜かれたW杯戦士の強靭な肉体の理由とは。
カタールW杯でスペインから歴史的勝利 を飾ったあと、その立役者となった三笘薫 がピッチでユニフォームを脱ぐと、ネット 上がざわついた。バキバキに割れた腹筋、 盛り上がった三角筋、はちきれんばかりの 大胸筋……。鍛え抜かれた上半身は、まるで格闘家のそれだったからだ。
'21年夏にベルギーに渡ってから半年が経った頃、三笘は「フィジカル的にすごくタフなリーグなので、自分の持ち味を失わないようにしながら体を大きくして、負荷に耐えられるように試行錯誤しています」と、自身の“肉体改造”について語っていた。 さらに今は、よりフィジカルコンタクトの激しい世界最高峰のプレミアリーグでプレーしている。筋肉の鎧をまとった肉体は、日々の戦いの賜物でもあるのだろう。
だが、そうした目につきやすい特徴とは 異なる箇所に注目した人物がいる。
「脇腹がすごく絞れていて、アウターマッスルの外腹斜筋、内腹斜筋だけでなく、インナーマッスルの腹横筋も鍛えられていることが窺えます。ここを同時に鍛えると体の軸ができやすくなるんです。ウエスト周りをグッと絞る。それが大事なんです」
そう指摘したのは、体幹・バランストレーニングの第一人者である木場克己(COREトレSTUDIO)だ。'90年代半ば、FC東京の前身である東京ガスでサッカー選手の体をケアするようになった木場は、長友佑都や久保建英のパーソナルトレーナーとしても知られてる。
さらに注目したのは三笘の尻だ。
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photograph by Mutsu Kawamori