#809
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「清原が好きでした」「桑田はAB型で…」あだち充が語る『タッチ』と甲子園裏話「現実であんまり面白いことをやられると、描くほうは困る(笑)」

2023/08/08
空前の大ヒットを記録した高校野球漫画『タッチ』が連載されたのは、'81年から'86年。ちょうど甲子園人気が熱く燃えていた時代と重なる。当時、あだち充は実際の球児たちをどのように見ていたのだろうか。大人気漫画家が、高校野球の魅力と、名作が生まれた背景を語った。(初出:Number809号 あだち充 [スペシャルインタビュー] 「僕とタッチと甲子園」)

『タッチ』を連載していたころの甲子園は、やっぱり面白かったですよ。桑田、清原が1年生で出てきたのは'83年? マジメに描いてるときですね。『みゆき』の連載もあったし、一番忙しいころです。あの時代は桑田、清原だけじゃなくて、そのちょっと前から全部連なってますからね。早実の荒木大輔が出てきて、次に池田高校、そこにPLが勝ってと。選手も監督もアクの強いキャラが、もうひっきりなしに登場してきて、一番面白い時代だったんじゃないかと思います。

『週刊少年サンデー』で『タッチ』の連載がスタートしたのは、KKが甲子園に登場する2年前、1981年のことだった。双子の兄弟である上杉達也・和也と幼なじみの浅倉南が織りなす物語は、単行本累計1億部を超える大ヒット作となった。

 とんでもないヤツらが出てきたな、というのがKKを見たときの印象です。甲子園を見るときは、まず地元の群馬勢に肩入れして、負けると近所の県に移って、という感じで応援するんだけど、KKみたいな凄い選手が出てきちゃうと、もうどうにもならない。嫌でもそっちを応援してしまいます。

 特に清原が好きでした。圧倒的な力が甲子園に出てくると、やっぱり認めざるを得ないですよね。素直に「すげえな」と思っちゃう。礼の仕方やバットを大切にしてる感じも含めて、本当にかっこよかった。桑田のほうは、少し変わってましたよね。やっぱりAB型だからかなあ(注・あだち自身も上杉達也・和也もAB型)。

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photograph by Mitsuru Adachi

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