メジャーリーガーも含めて結成された日本代表は、史上最強との呼び声も高い充実の陣容となった。では、3度目の頂点に向けいかに戦うべきなのか。WBC経験者が、勝ち抜くためのポイントを語った。
3大会ぶりに複数人のメジャーリーガーが参加する侍ジャパンの本当の見どころはどこにあるのか。かつてイチローたちとともに戦った里崎智也、コーチとして彼らに接した武田一浩、緒方耕一がプロの視点から指摘する。
論点1 大谷&ダルビッシュはこう活かせ。
武田「ダルビッシュ有と大谷翔平が、WBC初参加の若い投手をいかに鼓舞し、どれだけ自信を与えられるか。これが、今大会一番のポイントだろうと思います。
投げて勝ってチームを引っ張るのはもちろん、彼らの持っているメジャーリーグの情報と助言が大きな武器になる。とくに、メジャーリーガーのいるアメリカやドミニカ共和国と当たりそうな決勝ラウンドでは。
メジャーで10年以上キャリアを積んでるダルビッシュなら、具体的なイメージが浮かぶような助言もできます。例えば、山本由伸のスライダーならこの選手のここを突けば有効だ、こういう球種をこう使えば抑えられるぞ、というふうに。
それに、メジャーの審判のクセや傾向もダルビッシュや大谷が教えられる。ストライクゾーンが広いとか狭いとか、細かくて生きた情報が若い投手たちにとってはありがたい。僕が投手コーチだった2006年第1回大会では、大塚晶則(レンジャーズ)がそういう話をしてくれましたよ」
里崎「相手国のメジャーリーガーで、ダルビッシュと大谷が対戦経験のある選手が出てくれば、ふたりの持ってるデータを目一杯活かせますね。事前のミーティングで、メジャーのレギュラーシーズンでこの選手はこういう配球で打ち取った、という話は必ずする。捕手もふたりのイメージを活かした配球をすればいいんです」
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photograph by Hideki Sugiyama