賢い人は、できない理由をまず探すそうです。アホにはそれがない。だから不可能と思われていることにも挑戦できる。
バイオテクノロジーにおける世界的権威で筑波大学名誉教授の村上和雄さんが記された生き方論。「アホが常識を超え、世界を変えていく」例としてスティーブ・ジョブズの名も挙げています。確かにこれまでの大きな発見や発明を考えてもそうです。コペルニクスが唱えた地動説にしても常識を超えて没頭していったからこそたどり着けたのかもしれません。
特に法王ダライ・ラマ14世について書かれたくだりには頷かされました。
「ある科学者が科学的な事実と仏教の教えの明らかな矛盾を指摘したとき、法王は仏典のほうに明確な間違いがあるなら、仏典を変える用意がありますといったのです。これはすごい言葉です。(中略)私は一〇〇%仏陀の弟子だが、仏典を書いたのは仏陀ではない。その弟子が後世に記したものだ。弟子は人間なので、人間のすることに誤りがないことはありえない。自分も読んでいて、ここはどうもおかしいと思う箇所がある――などと、みずから帰依する宗教の絶対性に固執しない姿勢をあっけらかんと表明するのです」
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