スポーツ界でも揉め事は起きる。両者の言い分に耳を傾け、問題を解決に導く「仲裁」の仕事に迫る。
代々木第一体育館の裏に、『日本スポーツ仲裁機構』という組織がある。選手が代表選考に不満を持ったり、競技団体から不当な扱いを受けたと感じたときに、仲裁役となる公益財団法人だ。
その仲裁機構において、ときに選手の申立人代理人、ときに仲裁人(裁判官的な役割)として活躍しているのが弁護士の高松政裕だ。
「日本スポーツ仲裁機構ができて、今年で10年目になりました。認知度も高まってきて、以前より多くの競技団体や選手が仲裁機構を利用して紛争解決をするという流れになっています」
国際商取引が専門の高松がスポーツ法に興味を持ったのは、2007年にJリーグを揺るがした我那覇和樹のドーピング冤罪事件(点滴治療が元で6試合の出場停止に。仲裁裁判の結果、処分は取り消された)だった。
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photograph by photographs by Shinya Kizaki