血と汗が舞うリングに乗り出すようにカメラを構える。拳闘の現場で男はレンズの先に何を見るのか。
一瞬を切り取る判断力。被写体の魅力を引き出す話術。写真家にはさまざまな資質が要求される。では、スポーツ写真を撮るためには? ボクシングを題材に選び、後楽園ホールに足繁く通うカメラマンの山口裕朗さんは元プロボクサーという経歴を持つ。経験者だから写せる瞬間があるのだろう。
「いや、パンチが顔面にヒットした瞬間――新聞に掲載されるようなスポーツ写真を撮るのは、じつはそんなに難しくない。連写しとけば一枚ぐらいはいい写真が撮れます」
山口さん、のっけから身も蓋もないことを仰らないでください……では、プロボクサーを目指したそもそものきっかけとは?
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Satoshi Ashibe