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<カメラマン、東京マラソンを走る> 50歳“サブ4”挑戦顛末記

2013/03/24
2年前に走り始めたカメラマンが3度目のフルに挑んだ。
掲げた目標は「それくらいできるでしょ」と“サブ4”。
それなのに、幾度も「オレ、何で走ってるんだ?」と
自問自答してしまう50歳の挑戦記、その結末やいかに。

好評発売中の雑誌Number Do『フルマラソン 100人のマイ・ルール~42.195kmを賢く走ろう~』より、特別公開します!

 まずすこしだけ自己紹介しておくと、僕の職業はプロカメラマンです。少し前に50歳になりました。身長は168cm、体重は少ない時で63kg、多い時で66kgくらい。最後に健康診断を受けたのは4年前だけど、頭の中以外に特に悪いところはありません(と思いたい)。

 お酒は飲まない。タバコは5年前にやめました。サッカーが好きで、月に2度はシニアリーグで試合をしています。同年代の男性に比べると身体は動かしているほうです。走るのは、短距離は昔から鈍足、長距離は得意でも不得意でもない程度。50歳になっても、大胸筋が厚い方が女性にはモテると信じて日々生きています。

2年前に言われた「東京マラソン走りませんか、写真撮りながら」。

 話は、2年と少し前までさかのぼります。

 ある日、Number Doの編集者から電話がかかってきて、こう言われました。

「東京マラソン走りませんか、写真撮りながら」

 マラソンにそれほど興味があったわけじゃないけれど、マラソン走りながら写真も撮る、って考えには惹かれました。だって面白そうじゃないですか。それに年齢のこともありました。そのとき僕は47歳、今ならまだそういうおバカな企画も楽しめるんじゃないかって。だって、80歳になってマラソン走りながら写真は撮れないでしょ。電話のこっち側でそんなことを考えて、やるよ、と答えました。

トレーニングに読書……やると決めた以上はとことんやる。

 電話があった次の日から、僕はとりあえず走り始めました。東京マラソンまではちょうど3カ月。やると決めた以上はとことんやる、それが僕の主義です。主義ですが、ほとんどのことはとことんできないまま人生を過ごしてきました。しかし今回はマジでやるしかない。なんせこれは趣味ではなく仕事です。がんばったけどダメだった、というオプションは存在しない。

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photograph by Mami Yamada

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