博多の人・王貞治BACK NUMBER
「王さんに、聞いておいてください」王貞治本人の重大証言…ON決戦後に王は辞めるつもりだったのか?「だって、巨人に勝ちたいじゃないですか」
posted2026/09/30 17:04
2000年、日本シリーズ「ON決戦」後の両雄。もしも巨人に勝っていたとしたら、王にはある重大な思いがあった?
text by

喜瀬雅則Masanori Kise
photograph by
Hideki Sugiyama
今やホークスでの年月がジャイアンツ時代を超えた王貞治の、博多での道のり。2000年、王ダイエーはON決戦に敗れた。だが、当時の主力・城島健司は、もしもホークスが勝利していれば王は「ある決意」をしていたのではないか、と耳にしたという。それは——。〈連載「博多の人・王貞治」:全5回の4回目/つづきを読む〉
城島健司は、王貞治という野球人の足跡を追い、それを記録として残すべく、野球界の先輩や巨人時代の僚友ら、王に関わった関係者を訪ね歩いて映像でのインタビューを取り、1本のストーリー映像として、可能なら文書にも残したいという希望を持ち、取材を継続している。
その中で、複数の関係者から、2000年のON決戦に、もしダイエーが勝っていれば「王は監督を辞めていたかもしれない」という声が聞こえてきたというのだ。
「ON決戦で優勝していたら、それこそ辞めていたかもしれないね、っていう人もいましたね。負けて辞めるなんてことは、王さんはしない。でも、ならば、2000年にもし勝っていたら、ちょっと頭の片隅に『辞める』ってことがあったのかな?」
巨人を倒していたとしたら
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5年契約の5年目だった1999年、ダイエーの初優勝と日本一。
2000年、悲願の「ON決戦」。古巣・巨人との日本シリーズに勝てば、それこそ、オーナーの中内㓛の、王を招聘した「球界の寝業師」根本陸夫の、そして王貞治の長き『夢』が結実するのだ。これぞまさしく、有終の美である。
しかし、勝てなかった。
「だから『くそっ、辞めれんわ。まだやったるわ』と。そりゃ、ベンチ裏に下がるわ」
そう推察しながら、城島は自らの言葉をくるりとひっくり返した。
巨人に勝ったから、監督を辞める。
「そうしたら、格好いいんじゃないですか?」

