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センバツ優勝でも「まだまだ」連発…大阪桐蔭・西谷監督と選手が明かした“ホンマの課題”「かっこいいプレーはいらない」「ミスをつぶして」
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間淳Jun Aida
photograph byJIJI PRESS
posted2026/04/05 06:00
センバツを制し、胴上げされる大阪桐蔭の西谷浩一監督
打者が空振りして走者がアウトになったり、打球が二遊間に飛んで併殺になったりしても、スタイルを変えずに貫いた。走者としても打者としても、エンドランのサインに応えてきた2番・中西佳虎選手が言う。
「上手くいかなかったとしても、次に成功させる気持ちで仕掛けていくチームです。長打が続く打線ではないので、積極的に動いて、つなぐ意識を徹底しています。上手く決まった時は、相手へのダメージも大きいですし、自分たちのリズムも良くなります」
かっこいいプレーはいらない、と
スイングが大振りになる選手がいると、ベンチで「つないでいこう」と声が飛ぶ。日頃の練習からバスターやエンドランを繰り返し、その重要性をチームで共有してきた。内海も「サインプレーで攻撃を展開して、チャンスをつくることを大事にしています。長打を狙う欲は心の中にしまって、つなぐ打撃を心がけています」と話す。
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主軸を中心にチャンスで走者を確実に還せる打線であれば、送りバントで確実に走者を1つ進める戦術が最優先になるだろう。しかし、今の大阪桐蔭は、その域には達していないと自己分析する。西谷監督は「セオリーであれば送りバントをする場面もありましたが、まだまだ春の段階なので、みんなには攻めようと伝えていました」と積極策の理由を明かす。
4番を任された谷渕も、指揮官の意図やチームの現状を理解している。準々決勝の英明戦で本塁打を放つなど、長打力や打球速度に秀でた打者だが、送りバントやバスター、エンドランのサインを何の迷いもなく受け入れる。そして、泥臭くても次の打者につなぐ気持ちを大事にする。智弁学園戦では、勝利への飢えを表すように、内野安打で一塁にヘッドスライディングも見せた。
「目指すところは、みんな1つです。4番の自分が簡単にアウトになったら、チームとして勝てません。1人が出塁することで、投手の球数を増やしたり、次の打者につなげたりできます。主将の黒川を中心に、かっこいいプレーはいらないと、ずっとチームで言ってきました。自分の結果よりもチームの勝利、形はぐちゃぐちゃでも勝てば良いと考えてきました」
「まだまだ」と指揮官は繰り返した
これまでの大阪桐蔭のイメージとは違うかもしれない。だが、粘り強さと次の打者につなぐ意識が、10度目の頂点に立てた要因だった。
今大会、西谷監督が試合後に何度も繰り返した言葉がある。

