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センバツ優勝でも「まだまだ」連発…大阪桐蔭・西谷監督と選手が明かした“ホンマの課題”「かっこいいプレーはいらない」「ミスをつぶして」
posted2026/04/05 06:00
センバツを制し、胴上げされる大阪桐蔭の西谷浩一監督
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間淳Jun Aida
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JIJI PRESS
ダメージが大きい、苦しい1年でした
丸1年、日本一への挑戦権さえ手にできなかった。2季連続で甲子園を逃したからこそ、今春のセンバツでは「勝利」という結果にこだわった。決勝で智弁学園を下し、チームを春夏合わせて10度目の甲子園優勝に導いた大阪桐蔭・西谷浩一監督は胸の内を明かした。
「夏を見越した春ではなく、春の大会のためにやってきました。昨年は甲子園に一度も導くことができず、日本一の目標に挑戦させることもできませんでした。申し訳ない気持ちが強く、ダメージが大きい、苦しい1年でした」
西谷監督は今春のセンバツを「夏の甲子園制覇へのステップ」とは位置付けていなかった。1年間遠ざかった聖地で、頂点に立つためのチームづくりを進めてきた。あえて、「10度目の日本一」を毎日のように口にしてきたという。
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「言い続けることで、みんなに何かを感じてもらいたいと思いました。実現できなかったらかっこ悪いので、本心では言いたくありません。でも、去年は一度も甲子園に出られなかったので、日本一を目指そうと言った方が良いのかなと考えました」
チームの目標は明確だった。だが、それだけの戦力が整っている自信はなかった。絶対的な力で全国制覇を成し遂げた過去のチームと比べると、今大会の打線は迫力を欠いた。黒川虎雅主将は「今年のチームは粘りしかない」と表現する。中には、「去年甲子園に出られなかった分、センバツ前は自分たちが本当に強いのか不安はありました」と漏らす選手もいた。
西谷監督が考えた「仕掛け」とは
粘りを最大の武器とするチームを全国の頂点まで率いるには、どうすれば良いのか。西谷監督が出した答えは、「仕掛け」だった。
指揮官は今大会、走者を動かして攻め続けた。智弁学園との決勝でも、初回無死一塁から犠打ではなく、ヒットエンドランを選んだ。3回無死一塁でも、3番・内海竣太選手がバスターエンドランでライトへ安打を放つ。続く4番・谷渕瑛仁選手が犠牲フライ、5番・藤田大翔捕手の二塁打で2点を追加した。
内海は準決勝・専大松戸戦のエンドランが出た場面で、二塁へゴロを転がして併殺に倒れていた。決勝の舞台では、スライダーにタイミングを外されながらも、体を開かずに我慢して一・二塁間を抜いた。
大阪桐蔭は大会を通じて、エンドランを積極的に仕掛けた。

