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女子マネージャーが副将、1年生をエースに抜擢…激戦区・大阪で「普通の公立校」野球部が躍進のナゼ「公立高校だから…はある意味、逃げ道」

posted2026/04/01 11:02

 
女子マネージャーが副将、1年生をエースに抜擢…激戦区・大阪で「普通の公立校」野球部が躍進のナゼ「公立高校だから…はある意味、逃げ道」<Number Web> photograph by Fumi Sawai

香里丘のエース・岡本翔斗は1年時の夏からエースナンバーを背負う。現在はプロ志望届の提出を考えているという

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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 昨今新たな潮流を見せている「令和の高校野球」。私学の学費無償化や進学意識の高まりなどもあり、強豪私学でも超進学校でもない「普通の公立校」は、少子化とも相まって部員集めから苦戦を強いられている。そんな中、大阪のある高校が躍進を見せているという。果たしてそこにはどんな取り組みがあったのだろうか。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

 香里丘高のノックは掛け声の大きさ、そして威圧感がとにかく凄まじい。それぞれの背中を押す威勢のいい声だけでなく、内野間でも細かいミスが出れば選手間で厳しい指摘の声が飛び交っているのだ。

 河本拓也監督が掲げているのが「心を動かす野球」だ。その真髄を指揮官はこう明かす。

「会話のある野球をしましょうというのがうちの野球です。これから社会人になって活躍しようと思うと、やっぱり人の心を動かせるような人にならないといけないでしょう。人の心を動かさないと、営業するにしても、ものを買ってもらえない。面白い小説もマンガも書けない。人の心が動かされるから注目を浴びると思うんです。それは野球でも同じ。相手の心を動かせるかどうか、対戦相手を焦らすことができるのか。ここがキーワードになっていきます。

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 見ている人の心が動かされれば応援してもらえるようになるし、日本という国の特性で言えば弱い者の方を応援してくれる。球場の心を動かせるかどうかは、君たちの目に見えない力が働き始めるかどうかだよ、と。常日頃から会話しましょう、コミュニケーションを取りましょう、心を動かしましょうと生徒たちには言っています」

 現代の子どもたちは周囲との繋がりを疎ましく思う風潮が強いと聞く。ただ、周りを見ることで新たな気づきも生まれる。そこから会話ができるようになれば、おのずと足並みはそろってくる。そして連携も取れるようになる。それがチームという組織を生む。それが河本監督のモットーでもある。

前チームでは「女子マネージャーを副キャプテン」に

 そして、チームを作っていく上で男女は関係ない。

 創部初の夏のシード権を手にした前チームは、女子マネージャーの駒澤楓佳さんが副キャプテンを務めていた。その経緯を河本監督はこう明かす。

【次ページ】 履正社相手でも…「俺らいけたんちゃうか」

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