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甲子園の風BACK NUMBER
女子マネージャーが副将、1年生をエースに抜擢…激戦区・大阪で「普通の公立校」野球部が躍進のナゼ「公立高校だから…はある意味、逃げ道」
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2026/04/01 11:02
香里丘のエース・岡本翔斗は1年時の夏からエースナンバーを背負う。現在はプロ志望届の提出を考えているという
「昨年のチームは3年生が13人で、そのうちマネージャーは5人という割合だったので、君たちが強くなるためにはマネージャーの言葉に耳を傾けられるかどうかだと3年生に言いました。マネージャーを下に見るのではなく、マネージャーの指摘を自分のことのようにとらえて、改善できるかどうかが大事だと新チーム結成時に伝えました。
昨年の3年生は視野が広く、客観的にものごとを見られる生徒が多かったんです。今の時代に男性だから、女性だから、と言うのはナンセンスかもしれないですが、女性特有の視点があります。マネージャーはどちらかというとお手伝い、雑用係というイメージがありますが、そういうことじゃないよとよく話してきましたね」
履正社相手でも…「俺らいけたんちゃうか」
そのチームは昨夏の府大会4回戦で履正社に0-6で敗れたが、7回表まで0-2と競った展開だった。指揮官はこう振り返る。
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「あの試合では子供たちに“しがみついていけ”と伝えていました。試合はプラン通りでした。心が動く場面が終盤にあるから、そこで君たちが食らいついていけるかどうか。試合前から懇々とそんな話はしていました。何より相手も同じ高校生。練習試合だったら相手にならない展開になるかもしれないけれど、公式戦は違います。
特に夏はお互い負けたら終わりというプレッシャーもあります。序盤にピンチを挟殺プレーで凌いだ場面があって、練習通りのことは発揮できました。1点を取られても次の1点を防ぎに行くとか、終わってみればあの場面を抑えたら俺ら行けたんちゃうか、と思う所もたくさんありましたね」
ただ……と指揮官は続けた。
「終盤の守備で、なんでもないショートフライを落としてしまったんです。食らいついていたところで、ウチがそういう隙を見せてしまいました。履正社さんくらいの学校は、そういう隙を許してくれない。それが(結果的に6点差になった)原因だったと思います」
昨秋の府大会は4回戦で浪速に3-4で敗れたが、その試合も内野のミスが絡んで先制を許した。
1年生の野手が多く、心に余裕がなかったのかもしれないと指揮官は選手の心情を察したが、一時は試合をひっくり返し、後半勝負には持ち込んだ。決勝点は最終回の守備の悪送球が絡んでしまい、またしても4回戦の壁を打破できなかった。

