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「2区は最後まで迷って…」順大・長門俊介監督が語る箱根駅伝“前回11位→躍進3位”の深層とエースの資質「1年生・井上朋哉は爆発力が」《インタビュー》
posted2026/03/26 17:30
長門監督は「ほぼ理想の区間配置ができた」と語る
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
Takuya Sugiyama
「夏合宿以降、こんなオーダーが組めたらいいな、と考えていたものがあったんですけど、ほぼほぼその理想通りの区間配置ができましたね。今年ほど綺麗に自分のイメージがパーンとハマった年はありませんね」
第102回箱根駅伝、順天堂大学が飛躍した。往路を6位で折り返すと、復路でじわじわと追い上げを見せて最終10区で山本悠が劇的な2人抜き。レース前に言われた「5強」のうち早稲田大学、中央大学、駒澤大学に勝って、見事3位に入ったのだ。前回大会、最終10区で四つ巴となったシード権争いに7秒差で敗れていたこともあり、多くの駅伝ファンを驚かせる結果となった。
長門監督は「前回はバタバタして、オーダーの組み替えが必要でしたから」と苦笑するが、指揮官が思い描いた通りのオーダーを組めたことが今回の飛躍の一因となったようだ。順大のオーダーは以下の通り(名前の後の丸囲み数字は学年)。
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往路:池間凛斗②→吉岡大翔③→井上朋哉①→川原琉人②→小林侑世③
復路:谷本昂士郎②→玉目陸②→永原颯磨②→石岡大侑④→山本悠②
「復路で追い上げるイメージだったのが、強い大学と一緒になって上がっていける展開だったので。それは本当に往路の選手が頑張ってくれて、流れを作ったからだと思います」
オーダーを見てわかるのが、6名が走った2年生の充実ぶりだろう。卒業する4年生は9区を走ったキャプテンの石岡のみで、エースが集う2区、そして山区間でも経験者が残る。才能溢れる2年生が上級生となる新チームに対する期待は、自然と高まるだろう。
「ありがたいことに、98回大会で2位になった時よりも多くの祝福の言葉をいただきますし、皆さんからの反響も大きいです。でも、2位の時はその直後のシーズン、『優勝』を意識しすぎてうまくいかなかったというか、チームとして地に足がついていない部分があったので、あの時の経験を反省材料にして、今年1年はやっていきたいです」
今回、指揮官が最も起用を迷った区間が「2区」だという。結果的には、吉岡大翔が区間順位こそ9位ながら、1時間6分28秒と好走。難しい展開の中で、青学大・飯田翔大や東農大・前田和摩らにも先着しており、「5000m高校記録保持者」の面目躍如と言える隠れた好走だった。
だが、レース1週間前まで、前回2区を走った玉目とどちらを走らせるか、悩んでいたようだ。
「経験者なので玉目を使うか、状態が良くなっている吉岡を使うか。2人には悪いですけど、1週間前まで引っ張って、決めました。吉岡は『準備してきたんで』と言いつつも正直、少し不安そうな顔をしていました。逆に玉目は『言われたところで走ります』と受け入れつつも悔しさを感じさせることもあったので『切り札だよ』と伝えました」
では、2区・吉岡を決めさせた要因はなんだったのか。動画では吉岡自身の変化、そして駅伝チームにおける「エースの資質」という視点を含めて、じっくり語ってもらっている。
「タイム設定をしない」箱根駅伝の戦い方
動画インタビューの短縮版はYouTubeの「Number」チャンネルでも公開中。
NumberPREMIERで公開中のインタビュー動画完全版では、以下のような話題についても語っている。
- ⚫︎先頭争いをせずに3位…次への課題
- ⚫︎箱根で優勝を狙うためには、何かを変えるべきなのか
- ⚫︎「石橋を叩いた」ルーキー井上の爆発力
- ⚫︎日本学生ハーフで2位・山本悠の強みとは?
- ⚫︎"個性派集団"2年生の中心的存在
- ⚫︎エース吉岡が見せた大きな進化
- ⚫︎「意識が低かった」4年生たちの変化
- ⚫︎「お披露目したかった」一般入試で努力したランナーとは?
- ⚫︎なぜ順大は実業団で飛躍するのか
3位という結果にも浮かれることなく、地に足のついた姿勢で新しいシーズンを迎える長門監督。40分強のインタビューでは頭に描くロードマップをじっくり語ってもらった。



