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偉大な先輩・小平奈緒の「おまじない」が五輪好記録を後押し…スピードスケート山田梨央“極度に緊張する性格”をほぐした「応援しちゃダメ」!? 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2026/03/11 17:01

偉大な先輩・小平奈緒の「おまじない」が五輪好記録を後押し…スピードスケート山田梨央“極度に緊張する性格”をほぐした「応援しちゃダメ」!?<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

ミラノ五輪スピードスケート代表の山田梨央。遅咲きの彼女を力付けていた偉大な先輩・小平奈緒との秘話を追った

 そして迎えたレース本番。会場はスタンドの9割近くがオランダファンのシンボルカラーであるオレンジ色に染まっていた。“オランダ推し”のムードが押し寄せる中で、山田の1つ前の組に出たフィムケ・コク(オランダ)が、22年北京五輪で高木美帆が出した五輪記録を0秒60更新する1分12秒59をマークして暫定首位に立ち、会場のボルテージはさらに高まった。

父にこの舞台を見せたかった

 この時、山田の頭の中をよぎったのが、信州大学在学時に亡くなった父の顔だった。

「本当は一番応援してくれていた父にこの舞台を目の前で見せてあげたかったんです。お父さんのために、と思うのは良くないかなとも感じていましたが、でも、スタートラインに立つ前に『お父さんはどこからでも見たい放題だな』と思ったらフッと自分の中の緊張が消えて……。『見守っていてね』という感覚で滑ることができました」

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 号砲を聞くと勢いよく飛び出し、1分15秒16でゴール。7位入賞だった。天国の特等席から見守ってくれていた亡き父への思いが、すべて自分の背中を押す力となっていた。

 山田は、かつて小平からレースに向かう前のメンタルのコントロールについて聞いたことがあり、その言葉をずっと胸に持っていた。

「奈緒さんも、応援されることが緊張に繋がってしまうような時期もあったと話していました。そして、応援していただくことへの気持ちの捉え方を自分なりに見つけられた時に、それをうまく受け止められるようになったと話していました。

 自分も、そういう、応援していただくことに対するプレッシャーや緊張を処理する、自分なりの向き合い方を見つけられたらいいなとずっと考え続けてきました。この大会で『うまく向き合い方を見つけられたのかな』というところもあるし、本当に思いを受け止めながら滑ることができたと思います。たくさんの応援を実感し、その中で滑らせていただいてすごく幸せだったと感じました」

 初出場の五輪で、山田が一皮むけたレースをできたと感じたのは、これまで心の中にあった「プレッシャーへの向き合い方」という課題をクリアできたのが大きな要因だった。

【次ページ】 おまじないが好きだった小平さん

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