オリンピックPRESSBACK NUMBER

高梨沙羅も「1回(ジャンプ台から)飛んでみてほしい」と怒りを露わに…19歳女子選手を襲った“誹謗中傷”「憎しみに満ちたメッセージが届くんです」

posted2026/02/15 17:02

 
高梨沙羅も「1回(ジャンプ台から)飛んでみてほしい」と怒りを露わに…19歳女子選手を襲った“誹謗中傷”「憎しみに満ちたメッセージが届くんです」<Number Web> photograph by Getty Images

スキージャンプのポーランド代表である19歳のポーラ・ベルトウスカ。混合団体の結果を受け、SNSでの誹謗中傷の被害にあう事態に

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

PROFILE

photograph by

Getty Images

 なんということはない女子ラージヒルの練習日。お客さんはおらず、スタッフが夜の男子ラージヒルに向けた準備も進めている。

 そんな中、3本目のジャンプを飛び終えたポーランドのポーラ・ベルトウスカを2人のボランティアスタッフが待ち構えていた。持っていたバラの花束を彼女に手渡すと、ベルトウスカは驚きつつも、嬉しそうにこれを受け取った。

 彼女の誕生日でもなければ、何かおめでたいことがあったわけでもない。むしろ19歳のベルトウスカは、この数日間、人生で一番厳しい時間を過ごしていた。

混合団体での成績を引き金に…激しい誹謗中傷が

ADVERTISEMENT

 7日に行われた女子ノーマルヒルでは出場選手中最下位となる50位。10日の混合団体では一番手で登場して82mを飛んだものの、これも同組の最下位。ポーランドは2本目に進めず、12チーム中11位で団体戦を終えた。

 その成績が引き金となり、ベルトウスカの元にはSNSで大量の誹謗中傷メッセージが届くようになったのだ。

 19歳は母国メディア『skijumping.pl 』にその苛烈さをこう語っている。

「オンラインのコメントは読まないけど、たくさんのメッセージが届くんです。憎しみに満ちていて、まさかこんなに嫌われるとは思いませんでした。わざとやっているわけじゃないのに、上から下まで攻撃される」

 今大会では日本オリンピック委員会もミラノと日本に対応チームを設置しているように、アスリートに対する誹謗中傷の問題は世界中で起きている。ポーランドスキー連盟は選手を守るべく声明を発表した。

「我々はヘイト行為を決して容認しません。いま起きていることはスポーツ批評の限界をはるかに超えています。これは個人攻撃であり、選手だけでなく、彼女に近しい人々も苦しんでいます」

「ヘイトスピーチは情熱を殺し、精神を破壊し、スポーツの基盤を揺るがす。さらに、ポーランド代表を夢見る幼い選手たちの意欲まで奪ってしまいます。『もうたくさんだ』と言わなければ、育てるべき才能を失ってしまう。ポーラ、私たちはあなたと共にある」

【次ページ】 19歳へのヘイトは「本当にひどい状況」

1 2 3 NEXT
#高梨沙羅
#ポーラ・ベルトウスカ
#アダム・マリシュ
#カミル・ストッホ
#ミラノ・コルティナ五輪
#オリンピック・パラリンピック

冬季スポーツの前後の記事

ページトップ