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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「生きて戻れて良かった」平野歩夢の壮絶な挑戦とは何だったのか…仲間のハイレベルな戦いに「夢の先に向き合えた」前回と違う五輪で得たもの
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byNanae Suzuki/JMPA
posted2026/02/16 17:01
出場すら危ぶまれる大怪我を抱えて決勝進出。そこでも生死をかけた挑戦をつづけていた平野がミラノ五輪で得たものとは何だったのか
「4年でこれだけの進化があって、4年前にはあまり想像できていないような世界観や、レベルの高さを見せてくれました。選手それぞれが言葉で表せないようないろんな感情やプレッシャーと闘ってここまで来て、みんながベストを出した。そういうオリンピックの舞台だったと思います。前回とは違う空気感を感じました」
その中で日本勢が2人、表彰台に上がった。平野自身は最終的に7位にとどまったが、金メダルの戸塚優斗(ヨネックス)と銅メダルの山田琉聖(チームJWSC)が日本に2大会連続の金メダルと4大会連続の表彰台をもたらした。
平野が見た「夢の先」
「みんながベストな滑りをしてくれて、改めてこれで日本の強さも証明できたと思います。自分自身も刺激を受けてあそこまでチャレンジできました」
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そう言って後輩たちを称えた。
北京五輪で悲願の金メダルを獲得した直後は、「次の目標をどこに置くか。それは少し時間をかけて探したい」と話していた。熟考してたどり着いたのは、夢を叶えた続きを見ようという高遠な目標だった。
「こうやって夢の先に向き合えたことは貴重な時間でした。絶対に金メダルを取らなきゃいけないとかよりも、そういう(夢の続きを見るという)目的を持ち、戦わせてくれました。前回のオリンピックとは違う状況での大会になってしまったんですけど、自分の中では無駄なものは何一つないと落とし込んで、また自分が進化していく姿を届けられるように、自分らしくやっていきたいなと思っています」
生きるか死ぬかのチャレンジをし、生還した。夢の先で得たものはおそらく悟り。不屈で負けず嫌いの平野がイタリアの地で伝説を上書きした。
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