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柔道・角田夏実33歳が現役引退…“最強のライバル”も涙「なっちゃん、私を柔道に戻してくれてありがとう」親友の心を揺さぶった金メダルと巴投げ
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石井宏美Hiromi Ishii
photograph byJMPA(Natsumi Tsunoda),Kiichi Matsumoto
posted2026/02/08 11:27
パリ五輪女子柔道48kg級で金メダルに輝いた角田夏実。あれから1年半、第一線から退くことを表明した角田に対し、かつてのライバルが労いの言葉を送った
引退会見で今後について問われた角田は、「柔道が好き、楽しいという気持ちが私の原動力になっていました。小学生の頃に柔道が楽しいと感じたように、裾野を広げていきたいと考えています」と、「恋人」だった柔道と、これからは「家族」のようにともに人生を歩んでいきたいと語った。
その言葉がかつての親友、染宮さんとも重なった。
「引退はすると言ったものの、試合に出たいと思ったときはいつ試合に出てもいいのかなと。私自身も競技者としてではなく柔道と関わるなかで、また柔道の新しい一面が、柔道の一面が見えてくるという期待で今はいっぱいです」
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第一線から退いても、これからも「柔道家」であることは変わらない。染宮さんのように、角田にも再び畳に立つ道は開かれている。だからこそ、いつか二人の対戦が見られる日が来るかもしれない――ついそんな淡い期待を抱いてしまう。
もしそれが実現したとき、染宮さんは全力で戦い、角田との対戦をじっくり味わいたいと願う。
「勝ち負け以上に、彼女がこれまで積み重ねてきた柔道がどんなものなのか、そして柔道への思いを感じとりたいですね。すべてを感じ取れるわけではないですが、私が見られなかった世界を見てきた人の柔道がどういうものなのか、彼女と組み合ってそれを体感したいです」
常に柔道を心から楽しむ姿勢と自分の柔道を信じ抜く強さ。二人が大事にしてきたそのマインドは、これからも決して揺るがない。

