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「体も心もあれだけ鍛えていたのに…」新体操ロンドン五輪代表が出産後に思わぬ苦戦「あまり眠れず、精神的にきつかった」それでも“両立”目指す理由
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/01/27 11:02
新体操団体「フェアリージャパン」でロンドン五輪に出場したサイード横田仁奈さん。現在はスポーツ事業を展開する会社で働きながら子育てに奮闘する
「色々な世界があることを示したい」
幼い頃はできるだけ子どもの傍にいて日々の小さな成長も見逃したくない気持ちは親なら誰もが考えるだろう。たくさんの愛情を注ぐことで子どもの自己肯定感や表現力も育つといわれている。
サイード横田さんもときには泣いてグズる子どもを保育園において仕事に行ったり、自分の時間がなく限界までストレスを溜めたりすることもあったはずだ。それでも育児と仕事を両立させているのは、ただ仕事が楽しいからだけではない。
「子どもにはいろいろなものに興味を持ってほしいと思っています。興味を持つということは、その分、いろいろな世界を見せなければなりません。いろいろな世界があることを示さなければ、当然、選択肢も広がりません。主人も私も、幸い、幼いころから続けてきたことの延長線上にあるような仕事に従事できていますが、だからこそそこで働く姿を子どもに見せる意味は大きいと考えているんです」
アスリートのセカンドキャリアに思うこと
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ひと昔前に比べれば、日本国内におけるスポーツの価値は向上している。それでも海外に比べればまだまだ低い。
「マイナーでも、マイナーではなくても続けた先にこういう人生があるよ、好きで続けていたことがこういう風につながっていくんだという姿を見せるのは、自分の子どもに対してだけではなく、次世代を担う子どもにとって大きいのかなと思うんです。アスリートのセカンドキャリアはスポーツ界の課題の1つと言われているからこそ、少しでも“夢”を見せられたらいいですね」
競技人口の減少、思春期の体重管理など課題も多い新体操の未来についてサイード横田さんはどのような思いを持っているのか。〈つづく〉


