プロ野球PRESSBACK NUMBER
阪神・石井大智が語る日本シリーズ「明らかに力負け」発言の真相…たどり着いた“シンプルな結論”「あっ、野球が違うんだなと理解しました」
text by

佐井陽介Yosuke Sai
posted2026/01/20 17:02
2025年のレギュラーシーズンでは防御率0.17の圧倒的成績を残した阪神の石井大智だが、日本シリーズで痛恨の被弾。本人がいま明かす“涙の真相”とは…(第3回)
「少し難しい話になりますけど、最近の動作解析では『骨盤の移動速度を上げてボールを速くしましょう』というのが主流になっています。一方で、僕は移動速度ではなく回転の強さで投げるタイプでもあります。それなのに、2025年シーズンは軸足の深さが浅くなった分、骨盤に対して力を加えきれなくなっていました。そこで軸足の深さを意識してみたら、ポストシーズンからスピードが戻ってきたんです」
実は打てるだけの手を打っていた。だから日本シリーズで柳田に痛打された151kmにも悔いがないのだろう。
「外に真っすぐを投げるのであれば、あの時点ではマックスのボールだったとは思います」
ADVERTISEMENT
結果は完敗。出し切って負けた。ならば、次は打たれない考え方、力を身につける作業に移るしかない。
自分に足りないものは何か
終戦の瞬間を迎えた直後、右腕は素直に力負けを認めた。変えようがない現実はありのまま受け止めて、1秒でも早く前に進みたかったのかもしれない。
「日本シリーズが終わった直後は『ボールが悪かった』『もっと球速をあげないといけない』と技量の未熟さを痛感しました。それから球種の選択という面でも課題が残りました。もしほかにベストな球種があったとしても、その球種を捕手が信頼してくれていなければサインを出してもらえない。僕自身、投げ込む自信がなければ、その球種を選択できない。そういった意味でも、自分の技術には甘さがあった。だから2025年は最後、ああいう結果になったのだと思います」
自分に足りないものは何か。
もう改善点は探し終えている。
たった1度の敗北を糧に変えられる男は、防御率0.17にも決してあぐらをかかないのである。
<第1回から続く>

