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「なんかフワッとしていた」打倒・青学大という巨大な目標…箱根駅伝・2019年の東海大「正直、勝てるとは…」からの“唯一のプラン”とは?
posted2026/01/21 11:03
チーム力を上げ、打倒青学大が見えてきた東海大。しかし“黄金世代”の一員である中島怜利は、まだそれを明確にイメージできていなかった
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佐藤俊Shun Sato
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JIJI PRESS
2018年、第95回箱根駅伝に向けて、東海大は動き出した。
湊谷春紀が主将になり、館澤亨次ら黄金世代は3年生になった。1学年下では、のちに「3本柱」と言われる塩澤稀夕、西田壮志、名取燎太が力をつけてきており、戦力的には優勝を狙えるレベルといってよかった。
チーム内の競争が激化
チーム内では、箱根を走りたい選手のあいだで激烈な生存競争が起こっていた。
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黄金世代の1、2年時には鬼塚翔太、關颯人、館澤、阪口竜平が目立っていたが、3年になると、それまで3大駅伝に起用されていなかった西川雄一朗、小松陽平、郡司陽大らが力をつけてきた。
「絶対に箱根を走ってやる」というギラギラしたものを皆が発散し、塩澤や西田ら2年生も上級生を突き上げ、良い緊張状態が保たれていた。そんななか、湊谷は主将として、どうやってチームをいい方向に導いていくべきかを考えていた。
「正直、僕ら4年生世代よりも、ひとつ下や2年生の選手のほうが力もあるし、経験もある。僕らが引っ張るというよりも、いかに彼らに伸び伸びと走ってもらうか、いかにストレスなく自分の力を発揮してもらうか。それを同期の三上(嵩斗)と話し合いながらやっていました」
青学大を倒して「学生5冠」目指すも……
チームの目標は「学生5冠」、スローガンは「速さを強さへ」になった。
東海大はスピードはあるが勝てないという評価を払拭し、インカレふたつと出雲、全日本、箱根で優勝を目指すというものだった。多くの選手が「打倒・青学大」を口にしていた。だがシーズン序盤には、まだチーム全体がそれを明確に共有できていたわけではなかった。

