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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
青学大・原晋監督が「批判された可能性も」…箱根駅伝“シン・山の神”黒田朝日の激走生んだ「2つの選択」を“3代目”が指摘「坂だと厚底は…」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byIchisei Hiramatsu(L)/Nanae Suzuki(R)
posted2026/01/16 11:03
神野大地(左)が黒田朝日(右)の山での走りで着目したのが、その足元だったという。神だけが知る、神の驚異的な新記録の秘密とは
「シン」? 「4代目」?
原監督がその勇姿を見つめる中、黒田は、「4代目」ではなく「シン・山の神」と自ら宣言した。チームメイトも拍手し、芦ノ湖湖畔に、「おぉー」という歓声が湧き上がった。
「黒田君は、今井さん、柏原さん、僕という流れの後という認識がないんだと思います。僕らからしても、このタイムはすごいです。僕らの時代の23.2kmのコースで僕のタイムは76分15秒ですが、黒田君のタイムを当時の距離に合わせて単純に換算すると、75分02秒ぐらい。
その時、僕は区間3位の日本人選手に3分半の差をつけたんですが、黒田君ならもう4分以上の差をつけられるわけです。これじゃあ、1区間で繰り上げスタートにされてしまうチームまで出てきかねない。そのくらいえげつないタイムなので、シンというのも分かります。
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でも、僕が山の神になった時も、最初は『新・山の神』って言われましたからね(笑)。その後、3代目として定着していったので、黒田君も今は『シン・山の神』だけど、いずれ4代目と呼ばれるようになるんじゃないかな。黒田君が4代目になってくれたら、山の神の価値も爆上がりしますね(笑)」
このタイムを超えるには20年かかるかも
神野が3代目になってから約10年が経過し、黒田が「シン・山の神」になった。その間、「山の妖精」や「山の名探偵」が誕生した。そうした新たなニックネームも人気を博したが、山の神の定義が“記録”と“優勝への貢献”だとすると、そこに届く選手は現れなかった。
「僕が3代目になって10年後に黒田君が出たんですけど、この67分台を超える選手が出てくるには、たぶん20年はかかると思うんです。そのくらい、歴史的なタイムだと思いますね」
黒田は卒業後、マラソンを主戦場にし、ロス五輪を目指していくという。3年時に大阪マラソンで2時間6分05秒の日本人学生記録をマークしたが、今後、どこまで成長していくと神野は見ているのだろうか。
黒田には2時間3分台の可能性も
「黒田君は、ここ2〜3年、レースで1回も失敗していないんです。箱根も含めて、レースで絶対に外さないという自信が、今の走りにつながっている。その自信を調子が良い状態でマラソンに当てはめることができたら、2時間3分台に行く可能性はあると思っています。
ただ、個人的に一つだけ思うのは、マラソンで失敗した時のダメージはけっこう残るので、コンディションが整っていないのであればレースに無理やり出るようなことはせず、休んでほしいですね。これだけ結果を残し続けてきたので、少しでも気になることがあるなら、春から走るぐらいの気持ちでやってもいいのかなと思います」
同じ大学の先輩・後輩で「山の神」になるなど、なかなかないことだ。それだけに神野は、OBとしても、3代目・山の神としても、黒田の今後を気にかけつつ、これまでの山の神たちがなかなか結果を出せなかったマラソンで、世界に挑戦するのを楽しみにしている。
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