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黒田朝日の異次元区間新はもちろん…なぜ箱根駅伝「山上りの5区」はドラマチックなのか「後先考えている余裕は」歴代“山の神”メンタル術 

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posted2026/01/12 06:00

黒田朝日の異次元区間新はもちろん…なぜ箱根駅伝「山上りの5区」はドラマチックなのか「後先考えている余裕は」歴代“山の神”メンタル術<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

黒田朝日が歴史的激走を見せた箱根駅伝5区。なぜこれほどまでにドラマチックな展開が生まれるのか

 実際に走る姿だけではなく、参加した都道府県対抗駅伝で今井本人から“箱根山”の魅力と意義を説かれ、それ以降はすっかり5区志望になったという。

 東洋大学に入学すると箱根駅伝5区を走り、4年連続で区間賞を獲得。“2代目・山の神”の異名を取り、近年に続く箱根駅伝人気を確固たるものにした1人と言っていい。

 そんなが柏原が最も衝撃を与えたのは、今からさかのぼること17年前の2009年1月2日のことである。

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 5区を任された柏原がタスキを受けた時、先頭の早稲田大とは4分58秒差がついていた。常識で考えれば逆転は不可能な差でも、恐ろしいほどのハイペースで他校のランナーをごぼう抜きした。

“後先考えない”で走り切る。今井と同様、強い気持ちで箱根の山を必死かつひたむきに駆け抜ける柏原の姿が、人々の心を打ったのは確かだった。

神野、若林、黒田朝日…最強青学・5区の系譜

<名言3>
「じんの」ではなくて、「かみの」と覚えてもらいたい。それで十分です(笑)。
(神野大地/Number869号 2015年1月8日発売)

◇解説◇
 3代目・山の神と呼ばれた神野大地は、原晋監督率いる青山学院大学に入学後、2015年の箱根駅伝5区に出走。柏原の記録を24秒も上回る1時間16分15秒という驚異的なタイムを叩き出し、青山学院大学の初優勝に貢献した。「新・山の神」と色めき立つ周囲を尻目に、「自分はしっかり走れたんですけど、それ(『山の神』と呼ぶかどうか)は皆さんに決めていただくことなので」と、本人はいたって謙虚だった。

 そんな神野を超える“山の神”はそうそう現れないだろうと見られていたところ、同じ青山学院大の後輩たちが、さらなる驚愕の走りを見せるのだから面白い。

 2025年大会では若林宏樹が1時間09分11秒の区間新記録を樹立。今井らの頃とコースが変更となったため単純な比較はできないが、歴史を作った。さらにその1年後――黒田朝日が1時間7分16秒と1分55秒も更新する区間新をマーク。区間2位との差は「2分12秒」だったことから、異次元の激走ぶりが分かる。

「山の名探偵」も…“黒田朝日の恐怖”

 往路優勝を最後にかっさらわれる形になった早稲田大で「山の名探偵」と称される工藤慎作らも「(5区に)来たら正直もう敵わないかなって思っていますね」と警戒していたコメントを残していたが、想像しえないドラマが生まれることこそ、山上りの5区最大の魅力だろう。
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