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黒田朝日の異次元区間新はもちろん…なぜ箱根駅伝「山上りの5区」はドラマチックなのか「後先考えている余裕は」歴代“山の神”メンタル術
posted2026/01/12 06:00
黒田朝日が歴史的激走を見せた箱根駅伝5区。なぜこれほどまでにドラマチックな展開が生まれるのか
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Nanae Suzuki
初代が語っていた「思い切って攻められるか」
<名言1>
それでも思い切って攻められるかどうかが5区のポイントです。
(今井正人/Number670号 2007年1月18日発売)
◇解説◇
正月の風物詩・箱根駅伝はこれまで数々のドラマを生んできたが、最もドラマチックな区間となりやすいのが5区である。なぜならば山上りという特殊区間であるゆえ、大きな順位変動が起きやすいからだ。
この区間で驚異的な走りを見せたランナーに対して、中継する日本テレビを中心に「山の神」との異名を与えることがある。その“初代”が2005年、破格の区間新記録となる1時間9分12秒、11人抜きの驚異的記録を達成した、順天堂大学の今井正人である。
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その快挙の1年前、今井は1年生の時にエースが走る“花の2区”を任されたが、雰囲気に飲まれてしまってリズムがつかめなかったという。しかし、禍福は糾える縄の如し。
キーポイントとなったのは2区終盤の走りである。ランナーを苦しめる権太坂で、じつは今井は快走を見せていた。ここで5区への適性が見出されたのだ。
「山に関して言えば、トラックの記録は関係ありません。もちろんある程度走力がないとダメですが、より重要なのは『適性』です。骨格、膝の使い方、いろいろな要素があるんですが、自分にとって大切なのは気持ちだと思っています。急激な坂を前にすると、どうしても構えてしまう」
今井は山上りの極意について、こうも語っていた。
「実力だけでなく、あのコースに立ち向かうという気持ちまで試される特別な感覚がある」
柏原竜二は“早大との4分58秒差”を大逆転
<名言2>
後先考えている余裕はありませんでした。
(柏原竜二/Number968・969号 2018年12月20日発売)
◇解説◇
そんな今井の姿に感化されたのが、今井の5区3年連続区間賞の達成当時、高校2年生だった柏原竜二だ。

