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「決勝にも出ていない選手が」SNSの言葉に傷つくことも…女子ハードル・中島ひとみ(30歳)が振り返る“注目度急上昇の今季”「支えになった夫の存在」
posted2025/12/30 11:02
世界陸上で準決勝進出を果たすなど今季、大躍進を遂げた中島ひとみ。一方で、話題になったことでSNS等では厳しい言葉も目についたという
text by

加藤秀彬(朝日新聞)Hideaki Kato
photograph by
(L)Kiichi Matsumoto、(R)Wataru Sato
陸上女子100mHの中島ひとみ(長谷川体育施設)は、2025年の陸上界で最も注目を集めた一人だ。シーズン中に自己記録を4度更新し、日本歴代2位の12秒71をマーク。世界陸上では準決勝に進出した。華麗に映る1年。だが、当の本人は「急に家で泣いてしまって、ずっと張り詰めていた」。輝かしい舞台の裏で、緊張と不安に押しつぶされそうな日々を過ごしていたという。
中島のノートに記された「2025年の目標」
この冬、中島が見せてくれた1枚の写真がある。2024年10月、新しい練習ノートの1枚目に記した「2025年の目標」だ。
○タイム
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100mH 12“73(2024年 12”99)
100m 11“60(2024年 11”88)
○東京世陸に出る
○ライオンのメダルを獲る(日本選手権で3位以内)
○日本代表になる
中島は2025年、この全てを達成する。シーズン前に立てた高い目標をここまで完璧に実現するのは極めて稀だろう。その背景には、綿密に練り上げられたプランと勇気があった。
世界陸上に出場する方法は大きく2つ。参加標準記録(12秒73)の突破か、大会の結果で得られるポイントを稼ぎランキング上位に入ること。中島は両にらみのプランを練っていた。
シーズンインは早かった。2月、ニュージーランドで初戦を迎えた。初の海外遠征は「一人でやりきる」という強い覚悟をもって始まった。
「あの時こうしておけばよかった、と後で思いたくなかったんです。最後にポイントを見て、海外の試合に出とけばあと何点取れていたのに……なんて絶対に嫌だった」


