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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
北中米W杯「絶対に失敗しないキャンプ地選び」とは? その必須条件を過去大会の失敗に学ぶ「ホテルで一般客が…」「試合会場までの時間が…」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/12/26 11:06
W杯本大会で思いのほか大きな要因になる「拠点キャンプ」。日本代表は過去の失敗に学んで「失敗しないキャンプ地選び」ができるだろうか
そんな中で出場チームがやるべきことは当然ながら、大会までに少しでも実力を磨くことであり、勝利の確率を高めるべく準備を尽くすこと。そしてその準備において『差』を生むと考えられているのが、大会中に過ごす宿舎と使用するトレーニング施設の選定だろう。『キャンプ地選び』が結果に影響した例は、過去に幾つも存在する。
伝統国はキャンプ地選びにも多くの知見がある
現在、日本サッカー協会の技術委員長を兼務する山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、かつてこのように説明していた。
「伝統国にはワールドカップの豊富な経験と知見があり、それがそれぞれの国の強みになっている。日本がそこに追いつき、追い越していくためには当然、あらゆる努力が必要になる」
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1990年のイタリア大会から現地に赴いて各国のキャンプ地を視察し、2002年の日韓大会では代表コーチとしてキャンプ地で過ごした山本氏によれば、伝統国が強いのは実力だけではなく、「ワールドカップをよく理解しているから」ということになる。実力もさることながら、その実力を発揮するための準備に関して多くの知見を持つことが重要であり、キャンプ地選びにもそれが生かされているという。
北中米ワールドカップで8回目の出場となる日本も、失敗を重ねながら知見を蓄えてきた。
ホテルの環境に問題があったドイツW杯
例えば、2006年のドイツ大会。日本はドイツ北西部のボンをベースキャンプに選んだが、宿舎に問題があった。期間中に滞在したホテルは他の宿泊客と動線が一緒だったため、ファンが容易に選手に接触できる状況で、部屋の外に出るのにも気をつかったと後々、ある選手は振り返っていた。しかも、リラックススペースとなるはずの食事会場は地下にあって窓がなく、とても寛げる環境ではなかった。そのためか食後にその場に留まって選手同士が話し合うような雰囲気も生まれなかったという。


