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北中米W杯「絶対に失敗しないキャンプ地選び」とは? その必須条件を過去大会の失敗に学ぶ「ホテルで一般客が…」「試合会場までの時間が…」 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/12/26 11:06

北中米W杯「絶対に失敗しないキャンプ地選び」とは? その必須条件を過去大会の失敗に学ぶ「ホテルで一般客が…」「試合会場までの時間が…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

W杯本大会で思いのほか大きな要因になる「拠点キャンプ」。日本代表は過去の失敗に学んで「失敗しないキャンプ地選び」ができるだろうか

 合宿中に練習でグラウンドにいる時間は90分から120分程度。ジムの利用や体のケアの時間を入れても、トレーニング施設にいるのは、せいぜい180分がいいところだろう。それ以外の時間は、ほとんど宿舎で過ごすことになるが、そこでストレスを感じるような環境は本来、避けなければいけない。ドイツ大会の宿舎の選定は、失敗だった。

ブラジルW杯ではキャンプ地の場所自体に難しさが

 2014年のブラジル大会は宿舎ではなく、キャンプ地の場所自体が問題になった。暑熱対策のためにアメリカのフロリダで実施した事前キャンプまでは順調だったが、ブラジル国内で選んだキャンプ地、サンパウロ州のイトゥは涼しい場所だった。しかし日本がグループステージの試合を戦ったのはいずれも北部の高温多湿地域。そのために選手のコンディション調整が難しくなってしまった。

 その上、イトゥでは移動の面の苦労もあった。国土が広いためにイトゥから各試合会場に行くには飛行機を使わなければならなかったのだが、日本の宿舎から空港までの移動で毎回、想定していた以上の時間がかかった。最寄りの空港までの距離は近かったものの、実際にはチームバスを大会のセキュリティースタッフが先導する決まりがあり、通常15分で行けるはずが、倍以上の時間を要した。それは大きな誤算であり、余計なストレスを抱えることになったという。

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 イトゥの宿舎はリゾート施設で、ベースキャンプに選んだ当初はまだ建設途中だった。それでも選手がリラックスするために不可欠なプールがあり、各部屋に肩まで浸かることのできるバスタブを設置するなど、日本が必要とする設備をホテル側と協力しながらそろえることができた。その一方で場所と移動の面では問題が生じ、のちに多くの関係者がキャンプ地選びの失敗をパフォーマンスが発揮し切れなかった要因に挙げている。

 では、成功を収めた大会のキャンプ地はどうだったのか——?

〈全2回の1回目/つづきを読む

#2に続く
日本代表「北中米W杯でベストなキャンプ地」はどこ? 2試合行う街・ダラスの“理想の施設”が実は「ポット1のあの強豪国」に取られそう問題

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