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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「短いイニングを複数の投手で…」大谷翔平のWBC“二刀流”を可能にする究極の起用法…井端弘和監督が密かに温める「メジャー投手陣」最強の継投策
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byNanae Suzuki
posted2025/12/23 17:02
前回大会では二刀流で活躍した大谷翔平
井端監督は、二刀流としての出場可否について大谷の気持ちに委ねる考えを明かしている。
「まずは本人の意向を尊重したいし、ドジャースとも話をしなければいけない。もし、開幕から先発投手としてフルに投げる前提でシーズンに入るのであれば、(壮行試合も含めて)3週間ある大会期間の中で、代表戦でどれだけ投げてもらうのが適切かという問題も出てくる」
大谷本人に投打両方での出場希望があることは明白だ。唯一無二の二刀流選手として、野球人生を生きている。コンディションに問題がなく、投げたい意欲があるならば、DHだけを受け入れるとは思えない。無論ドジャースとの丁寧な話し合いがあってこそだが、WBCでも投打でフル回転し、レギュラーシーズンも開幕から先発ローテーションの一角として投げるのが大谷の描くプランではないだろうか。
「1位以外を目指したことはない」
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WBCで投手をしたら、回復期間を設けるために開幕は先発ローテーションを外れてもいい-―。そんな考えは大谷にはないだろう。ナ・リーグMVPの電話会見では、先発投手としての見通しを聞かれ、以下のように答えた。
「もちろん頭(開幕)からいくつもりでいます。来年のメンバーは(2025年から)いる人も(移籍などで)いない人もいますが、その中で先発投手として回るのが目標ではあります。1年間ケガなく仕事するのが目標」
怪我のリスクは十分に理解している。だが、大谷はリスクを背負うバランスを分かっている。例えば、投手として右肘の負傷再発を防ぐ目的なら、もう100マイル(約161km)以上のパワーピッチをしなければいい。しかし、それは大谷の野球観にはない。
前回大会の出場発表時(2023年1月)には「野球を始めてから今日まで、1位以外を目指したことはない」と発言している。頂点に立つために自分の能力を制限することを大谷は受け入れないはずだ。
井端監督が準備を進める「大谷ローテ」
そんな哲学を、ドジャース首脳陣も理解している。ロバーツ監督は開幕後の大谷の登板間隔について、WBCの出場が二刀流になるか未定の時点でも、柔軟に対応するスケジュールをイメージしている。
「一般的な5人ローテーション(中4日)をそのまま当てはめるつもりはありません。6人ローテと決めるわけではないのですが、6日から8日ほど間隔を空けながら投げ、休養とビルドアップ(体力強化)の両立を図りたい」


