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「長野東って…どこ?」ライバル校も衝撃…地方の公立校がナゼ全国高校駅伝の女王に? 18年前「部員は3人だけ」からの“奇跡の軌跡”を振り返る 

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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photograph by取材対象者提供

posted2025/12/21 06:03

「長野東って…どこ?」ライバル校も衝撃…地方の公立校がナゼ全国高校駅伝の女王に? 18年前「部員は3人だけ」からの“奇跡の軌跡”を振り返る<Number Web> photograph by 取材対象者提供

2007年に初めて都大路に出場した長野東高校。エース区間の1区を務めた小田切亜希は、周囲も驚く区間4位の好走だった

 最後に、1期生の3人のその後にも触れておきたい。

 エースの小田切は卒業後、大学駅伝の名門・名城大へと進学。4年時にはキャプテンも務めるなど活躍し、卒業後は実業団の天満屋へと進んだ。

「当時の長野東と違って、大学以降はいわゆる強豪チームに進んだんです。もちろん、そういう環境でやりたくて行ったので、後悔はありません。でも、何というか……いま振り返ると頑張ろう、頑張ろうとし過ぎて空回りしちゃっていた部分があったような気がします。だからいま、その強豪の立場になった長野東の後輩たちにも、それを重荷に感じないで力に変えて欲しいなと思っています」

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 2017年に地元・長野の竹村製作所に移籍すると、2022年に引退。35歳になった現在は、同企業で勤務の傍ら、地元のランニングクラブのコーチも務めている。

 西澤姉妹の姉・千春は、駅伝との「二刀流」で打ち込んでいた競歩でユースの世界大会代表になるほどに活躍したものの、高校で競技はスパッと引退した。学業成績が優秀だったこともあり、卒業後は地元の国立大へと進学。現在は医療関係の仕事に従事しているという。

 妹の美春は小田切と同じ名城大に進学し、マネージャーとして駅伝部に入部した。

「もともと自分は都大路が走りたかったので、大学で競技を続けるつもりはありませんでした。でも、高校時代に亜希や姉が活躍したことで、マネージャー的な動きをすることも多くて、それが意外と性に合っていたんですよね。そういう中で声をかけてもらって、裏方も良いのかなと思って」

 大学卒業後、一度は地元に戻ったものの、縁あってその後は日体大女子駅伝チームのコーチを務めている。偶然2020年に玉城が同じ日体大の男子駅伝チームの監督に就任することが決まった際は「嬉しいと同時に長野東はどうなっちゃうんだろうと心配していた」と苦笑するが、現在のチームの活躍を見れば、その心配は杞憂に終わったのだろう。

同校初の都大路「連覇」はなるか…?

 さて、37回目を数える今年の全国高校女子駅伝。

 長野東は19年連続で出場を決め、当然のように優勝候補の一角に数えられている。レース結果がどうなるかは、もちろんまだわからない。だが、虎視眈々と連覇を狙う姿は、まさに王者の名にふさわしいチームと言っていいだろう。

 なぜ「地方の普通の公立校」が、“駅伝女王”にまで成り上がれたのか? 

 その礎には、たった3人だけの部員が積み重ねたジョグと、地域の愛がある。それはきっと――他のチームでは起き得ない「奇跡の化学反応」だった。

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「私たち…駅伝、出られるの?」からの出発…“長距離部員は3人だけ”地方の公立校がなぜ全国高校駅伝の女王に? 18年前「長野東の奇跡」を振り返る
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