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「10年先の日本は結構やばい?」大迫傑が語る”日本長距離界への危機感” Xに投稿した「箱根にはエベレストはない」の真意「世界を本気で狙うなら…」
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byShota Matsumoto
posted2025/12/06 17:01
12月7日のバレンシアマラソンに出場する大迫傑が「日本長距離界に抱く危機感」について語った
「箱根にはエベレストはない」の真意
大迫 そういえばこの間、Xにも投稿したんですけど、「箱根にはエベレストはない」んです。箱根には箱根の山しかない。世界で戦う、メダルを獲るというなら、一回その山から降りて、飛行機に乗って、麓にあるネパールに行かないといけないと思うんです。目標が変わったのに、これまでと同じ舞台に立ったままで、同じ努力の延長線上で結果を出せると考えるのは違うと思う。これは箱根駅伝を否定しているわけではありません。日本のすごくいいカルチャーです。世界を本気で狙う長距離ランナーは、箱根駅伝を「自分のマーケティングとプロモーションの場」としてうまく活用すればいいと思います。
――視野を広げるという意味では、いま日本の中長距離でトップレベルの高校生が進路としてアメリカの大学を選んでいます。クレイアーロン竜波選手と石井優吉選手はペンシルベニア州立大、澤田結弥選手はルイジアナ州立大に通っていますし、そして来季からはドルーリー朱瑛里がワシントン大学に進みます。この流れはどう見ていますか?
大迫 めちゃくちゃいいと思いますね。アメリカという選択肢が唯一の正解かどうかは別にして、日本にいるとよくも悪くもそこで完結しちゃうじゃないですか? でも、そうじゃない世界に踏み出すということは、彼らは本当に速くなりたいんだと思いますね。もちろんアメリカの大学を卒業した方がその後の人生にとっても有利という気持ちもあるかもしれないですけど、中距離を見たらアメリカの方が日本より断然レベルが上なわけで、彼らの中にアスリートとして強くなりたいというピュアな気持ちがあるはずです。僕が、5000、1万で世界と勝負したいと考えてNIKEのオレゴンプロジェクトに飛び込んだっていう気持ちと変わらないのかな。新しい世界に飛び込んでいく気持ちを持った選手から、これまでとは違う価値観を持ったレベルの高い選手が生まれてくる可能性は大いにあると思いますね。
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――話題を変えます。10月のレガシーハーフから所属が「リーニン(LI-NING)」となりました。NIKE所属で走り続けてきた大迫選手の決断の背景にはどんな思いがあったのでしょうか? レース直後のコメントだけだと真意が読み取りづらかったので、もう少し詳しく教えてください。
【動画を見る】この記事の背景をより深く理解できる大迫傑選手への独占ロングインタビューは、NumberPREMIER内【動画】「ロス五輪までに2、3本レースを」大迫傑が語ったマラソン&駅伝の負荷と“スローダウン”の理由「次の所属契約先とは…」でご覧いただけます。

