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【動画】「ロス五輪までに2、3本レースを」大迫傑が語ったマラソン&駅伝の負荷と“スローダウン”の理由「次の所属契約先とは…」《ロングインタビュー》

2025/03/21

「シンプルに言うと、一旦休ませてよ、って感じですよね」

 そう言って柔らかく笑う大迫傑は、どこかスッキリとした表情を浮かべていた。その表情を見たことで、このシンプルな言葉こそが、今回の「決断」の背景にある本質的な理由なのだと、腑に落ちた。

photograph by Nanae Suzuki
photograph by Nanae Suzuki

 2月末、Numberのインタビューに応じた大迫は、その直前、自身のYouTubeチャンネルであることを表明していた。東京マラソンを走らないーー。

 この決断は波紋を呼んだ。

 東京マラソンを走らないということは、今年9月に開催される世界陸上東京大会の代表争いから「降りる」ことを意味する。2大会連続でオリンピックを走り、東京では6位、パリでは13位という結果を残してきた文字通り日本マラソン界のトップランナーが、地元開催の晴れ舞台で見られなくなるのだ。単純に残念だと思ったファンも多いだろう。

 また、「出場辞退」というレースの欠場理由も独特だった。当たり障りなく「調整不良」とすればここまで大きな話題にはならなかっただろうが、そこには明らかに大迫の意志がこもっていた。事実、マラソンランナー川内優輝がYahoo!ニュースの記事に以下のようにコメントをしている。

<大迫選手本人またはスタッフが欠場届の欠場理由に「故障」や「調整不良」でなく、「出場辞退」と記入したので、その部分を見出しにした記事のようです。欠場理由に「出場辞退」と記入する選手は、これまで聞いたことがありませんので、なかなか興味深い欠場理由の書き方です。>

 YouTubeでも、コーチのピート・ジュリアン氏と相談をした上でとして、本人の言葉でおおよそ以下のように説明されていた。

「自分の意思ではなく、なんか受動的な感じで走らされている感じが違和感があった。もう一回、自分が大きな目標である4年間に対して、外側の軸ではなく、自分軸で、どうやったら自分が一番モチベーションをもって取り組めるかを考えていこうと。(それを)整理をする時間が必要だと思った」

 納得ができる反面、もっと突っ込んで質問をしたくなったのも事実だ。どうして「受動的」になったのか。「自分軸」の未来にはどんな自身の姿を思い浮かべているのか。

 そこをインタビューで質問していくと出てきたのが、冒頭の「一旦休ませてよ」という言葉だ。ただし、大迫は肉体に疲労が溜まって走れない状態だったわけではない。主に精神面での「レスト」を欲していたのだ。なぜなのか? インタビューでは東京五輪後の自身の歩みを、GMOインターネットグループに参画して走ったニューイヤー駅伝を中心に振り返りながら、じっくり語ってもらっている。

取材テーマを「自由」に設定した理由

 実は、今回、大迫に取材オファーを出していたのは欠場表明の3週間以上前のことだった。その時に企画書に書いたテーマは「自由について」。

パリ五輪のゴール直後、フラッシュインタビューに応じる大迫 photograph by JMPA
パリ五輪のゴール直後、フラッシュインタビューに応じる大迫 photograph by JMPA

 パリ五輪後、シャモニーでトレイルランニングのレースを走ったり、NIKEとの契約を保留してシューズについてSNSで発信する姿を見て、「自由」をいう言葉が頭に浮かんだ。

 大迫傑には、自由奔放なイメージもあるかもしれない。だが、結果を出し続けることでプロランナーとしての責任を果たし、アスリートとしての価値をいかに高めるのかについて考え抜いてきたアスリートだ。その大迫が、この半年、より自由に振る舞っているように見えたのだが、絶対にその裏で何か考えていることがあるはずだった。

 それを踏まえて、今回の動画インタビューでは、以下のようなテーマについてじっくりと話を聞いたが、次々と刺激的な言葉が飛び出してきた。

  • 他者に対して「責任は感じない」の真意とは?
  • 駅伝で感じた「異質な負荷」の正体
  • 一度「スローダウン」することの意味とその期間
  • プロとして所属先を選ぶ時に考えること
  • 最近の厚底シューズへの適応について
  • 若林宏樹、黒田朝日らが今季のマラソンで好記録連発。タイムの価値はどうなる?
  • 2028年ロサンゼルス五輪への「自分」だけの道筋
  • 太田蒼生や吉田響の「プロランナー」選択をどう思う?
  • 「走りすぎたことによって…」パリ五輪13位の明確な敗因

 大迫傑らしい思考にたっぷりと触れた45分のインタビュー。ぜひお楽しみください。

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photograph by Shota Matsumoto

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