NumberPREMIER ExBACK NUMBER

「自己記録更新を狙いたい」パリ五輪以来のマラソンに挑む大迫傑が34歳でデータを重視し始めたワケ「実際、数値をモニタリングしていくと…」 

text by

涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

PROFILE

photograph byShota Matsumoto

posted2025/12/06 17:00

「自己記録更新を狙いたい」パリ五輪以来のマラソンに挑む大迫傑が34歳でデータを重視し始めたワケ「実際、数値をモニタリングしていくと…」<Number Web> photograph by Shota Matsumoto

12月7日のバレンシアマラソンに出場する大迫傑が、パリ五輪以来1年4カ月ぶりに走るマラソンについて語った

大迫 そうですね。LT値をどうやって上げていくべきかというハウツーが分かれば、わりと(力をつけるのに)効くのかなと考えています。まぁ、ぶっちゃけると20代前半の時にVO2Maxにフォーカスして走り続けてきましたけど、結構しんどいんですよね(苦笑)。それにこれまで僕と一緒に練習をしてきた選手たちが潰れてしまうケースも多かったんです。心拍を追い込むメニューが続くと疲労感が取れなくて、しばらく練習ができなくなってしまった。やっぱりVO2Maxだけで攻めていくってのは限界があって、ある程度LTを意識した遅めのペースで実力を伸ばしていくことも必要かなとは思いますね。

10年先の日本の長距離界は「やばい?」

――練習をトータルで見るとランニングエコノミーが上がる、つまりスピードや持久力を上げつつ効率の良い走りができるということですよね?

大迫 まだ僕も勉強中なところもあるのですが、その理解であっていると思います。ただ勘違いしないで欲しいのは、そのLTを意識した心拍数的には楽な領域で練習を続ければいいかっていうと、そうではないということ。海外の有名な選手がLTをやっているのをSNSで見ると飛びつくランナーがいたり、流行り廃りみたいになってしまうんじゃないですか? そうではなくて、徹底してやり抜く力が必要だしVO2Maxを意識した追い込む練習とのバランスを考え、順序立ててプロセスを作ってから練習に取り入れる必要があると思いますね。今の自分はそのバランスがとても良くなっていると思います。

ADVERTISEMENT

――だからこそ自己記録を狙う、と語れる状態になっているわけですね。

大迫 ちょっと話は変わりますけど、10年先を見た時に日本の長距離界ってやばいと思うんですよね。

――どういうことですか?

<続く>

【動画を見る】この記事の背景をより深く理解できる大迫傑選手への独占ロングインタビューは、NumberPREMIER内【動画】「ロス五輪までに2、3本レースを」大迫傑が語ったマラソン&駅伝の負荷と“スローダウン”の理由「次の所属契約先とは…」でご覧いただけます。

 

関連記事

BACK 1 2 3
#大迫傑
#ナイキ
#リーニン

陸上の前後の記事

ページトップ