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大谷翔平が出場を決めたWBCだが…「故障知らずのイチローが胃潰瘍」「トラウトは大谷との名勝負後不振」大会後ダメージを受けた名選手は多い
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2025/12/08 17:00
2026年WBC出場の意向を示した大谷翔平。前回2023年に続く活躍が期待される一方で、メジャー3連覇を目指すドジャースへの影響も懸念される
2000年代のアストロズのエースだったロイ・オズワルトはアメリカ代表として出場した09年シーズン、不振に陥り、デビュー以来8年連続で続いていた「2ケタ勝利」が途絶えている。
また、08年13勝したタイガースの若手エースのアルモンド・ガララーガも2009年大会にベネズエラ代表として出場したが、この年8月に右ひじを痛めて以降、成績が急落した。
何より、大谷のエンゼルス時代の盟友で、2023年決勝で名勝負を繰り広げたマイク・トラウトである。
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WBC後の23年シーズン、デビュー2年目から続いていた「OPS9割以上」が11年で途絶え、以後今季まで3年、不振にあえいでいる。エンゼルスにとっては、2030年まで毎年3700万ドル(約57億4300万円)という巨額の年俸が、重荷になりつつある。
心身とも負荷がかかるのは間違いない
こうした故障、アクシデント、成績不振のすべてがWBCに起因するとは言えない。とはいえシーズン開幕直前に、高校野球の甲子園のような、濃密で、プレッシャーの大きい大会に出ることで、心身ともに大きな負荷がかかるのは間違いない。
大谷をはじめとした各選手には、活躍してほしいのはもちろんだが――それ以上に大過なくWBCを乗り切ってほしいと思う次第だ。

