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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「戦力外になる選手も減って…」なぜドラフトで高校生が支配下指名されなくなった? 敏腕スカウト「育成は人数制限を作ったら…と思いますね」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byYuki Suenaga
posted2025/12/04 17:04
球団側が高校生選手を支配下指名しにくい理由は一体、何なのだろうか?
一方で、昨今ドラフトに際して「支配下縛り」の高校生が増えているとも聞いている。「プロ志望ではありますが、育成指名はご勘弁ください」という姿勢だ。
「選手枠」という事情で、支配下ドラフトの選から漏れてしまったとしても、それだけの高校生なら、よほどのことがない限り進路に不自由はないだろう。結果として、大学・社会人の人材が厚くなって、3年後、4年後の支配下ドラフトに「俊英」として挙がってくる。
それはそれで決して悪いことではなかろう。ここ数年の「大学生人材豊富ドラフト」という傾向がそれをはっきりと示している。
「育成は制限を作ったらどうかな」
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「私自身は、支配下の定員があと5人ぐらい増えたほうがいいと思っています。今の<70人>で一軍とファームをまわすのは、特に故障者や病人の出てくる夏場なんか、結構たいへんなんですよ、ほんとのところ。逆に、育成は制限を作ったらどうかな……と思いますね。三軍、四軍もいいですけど、あまり選手のレベルが一軍からかけ離れてしまうと、意味があるのかなって思いますね。
この国は人的資源だってそんなに豊富じゃないんですから。何がなんでもプロ……じゃなくても、選手のレベルにふさわしいカテゴリーでステップを踏みながら上を目指して頑張るっていうのが、選手個人にとっても野球界全体にとっても、いちばん健全な状況だと思っています」

