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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「戦力外になる選手も減って…」なぜドラフトで高校生が支配下指名されなくなった? 敏腕スカウト「育成は人数制限を作ったら…と思いますね」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byYuki Suenaga
posted2025/12/04 17:04
球団側が高校生選手を支配下指名しにくい理由は一体、何なのだろうか?
「支配下の枠」をめぐる水面下の駆け引きも…?
逆に実状として、こんなこともあるという。
「ドラフトのために支配下選手の枠を作らなきゃいけなくて、いったん戦力外(自由契約)にしてあとから育成で契約しようとした選手が、ヨソに獲られたりするケースなんかもあったりしてね」
ソフトバンクを戦力外になって、ロッテに支配下選手として入団した宮崎颯投手(東京農業大・3年目・180cm93kg・左投左打)などは、その例ではないかという。
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「ソフトバンクとしては残念ですよね、きっと。ウエスタン(・リーグ)で結果残していますもんね」
ソフトバンク・宮崎颯、今季のウエスタン・リーグ。
31試合35イニング24安打38奪三振18四球・防御率2.57。短いイニングのリリーフで、これだけの奪三振なら、おそらくここ一番で頼りになる「勝負球」を持っている。
「それに最近の選手たちは若いです。トレーニングの理論やサプリメントの概念も進歩しているし、故障した時のケアも僕らの頃とは比べものにならない。トミー・ジョン(手術)なんて、やった後のほうがスピード上がってるピッチャーのほうが多いぐらいじゃないですか。
そんなわけで、戦力外になる支配下選手も以前より減っていますから、その分、支配下ドラフトで獲る数も多くできない。おのずと、大学や社会人の<即戦力らしきもの>が優先されるのは、しょうがないかもしれないですね」

