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「井端ジャパン、MLB組が出られないと勝てない」WBC元投手コーチが警鐘…ドジャース大谷翔平も含めた「優勝に必要な“7人のメジャー投手”」 

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遠藤修哉

遠藤修哉Naoya Endo

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posted2025/12/01 11:05

「井端ジャパン、MLB組が出られないと勝てない」WBC元投手コーチが警鐘…ドジャース大谷翔平も含めた「優勝に必要な“7人のメジャー投手”」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

WBC参加を表明したドジャース大谷翔平。11月25日(日本時間26日)に合同取材に応じた

「伊藤は絶対に選びたい。彼は先発もできるし、リリーフもできる。ああいうユーティリティ性の高い投手は、短期決戦では本当に重宝する。あとはクローザーをどうするか。2人を選ぶと思うが、今年の成績で言えば松山晋也(中日)、杉山一樹(ソフトバンク)あたりが候補になるでしょうけど、国際大会のボールに適応できるかどうかは未知数。親善試合で、松山はボールに苦労している感じが見受けられた。だからこそ、メジャーでクローザーの経験もある松井裕樹の存在は大きい」

「初優勝のとき、“たった1人のメジャー投手”大塚がいた」

 もちろん、これはあくまでメジャー組が全員参加できた場合の“理想論”だ。メジャー組にはその実力はもちろん、招集する意義があるという。

「メジャー組の経験って大事なんだよ。オレらの時は投手陣は唯一のメジャー大塚晶則がいたから助かった。ボールが滑らないようにするにはどうするかといったことから、彼が肌で感じてきた、プエルトリコやドミニカ、アメリカなどのメジャーの打者のデータが攻略に役立った。今回もドミニカ、アメリカは日本を上回る超強力打線が予想される。そうなるとそうしたデータを持った選手が多ければ多いほどいい」

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 しかし、メジャー組は所属球団の意向や、コンディション、または自身が置かれた契約状況によって、事態は大きく変わる。

「もしメジャー組の何人かが参加できないとなれば、話は全く別。阪神の村上頌樹や才木浩人といった国内のトップクラスの先発投手が軸になってくる。そうなると、また一から編成を考え直さなければならない。及川雅貴(阪神)のように、左のリリーフのスペシャリストを選ぶのか、それとも別のタイプの投手を選ぶのか。監督の腕の見せ所だ」

「アメリカは本気だ」

 WBCの日本国内選手の選考が、かつてのような「主催者枠」といった特定球団への配慮があったという指摘もあるが、もはやWBCの選考に関しては不要だと断言する。

「前回もアメリカは“最強のメンバー”を選抜してきたけど、結局勝てなかった。だから2026年大会は本気だ。ア・リーグMVPのアーロン・ジャッジ、サイ・ヤング賞投手ポール・スキンズが参加を表明している。前回1次ラウンドで敗退したドミニカだって、タティスJr.、フアン・ソト、ゲレロJr.とメジャーの強打者揃い。僕らの時もそうでしたけど、『勝つためのメンバー』を選ばないと本当に勝てない。もはや球団に気を使ってられない。どの選手が一番日本の勝利に貢献できるか、その一点で選んでいくべき。井端監督も、その覚悟を持って選考に臨むだろう」

 ドジャースのロバーツ監督が3選手の出場に関しては「本音は出したくない」とこぼすが、「チームから試合数の制限はあるかもしれないが、出場自体を制限させるのは難しいのではないか」と武田氏は言う。

 11月24日、大谷がメジャー組で最初にWBCへの参加を表明した。これによって他のメジャー組はどう動くのか。大谷、山本、佐々木らを中心とした“史上最強”の投手陣は、果たして実現するのか。ロースター発表ギリギリまで駆け引きは続きそうだ。

<全3回/第1回第2回から続く>

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